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最後のGT−R登場、か!?【ニューヨーク国際オートショー】

河口まなぶ自動車ジャーナリスト

果たして「最後のGT−R」なのか? 

3月23日から開催されているニューヨーク国際オートショーにおいて、日産が発表した同社のフラッグシップ・スポーツカーである日産GT−R(米国仕様)は、登場から実に9年が経過しており、今回が「最後のマイナーチェンジ」ではないかと噂されている。

しかも実際に登場した日産GT−Rをしてその内容は、「日産GT-R史上において最大の進化」になっている。それだけに、これが日産GT−Rの最終形だというのが大方の予想なのだ。

事実、今回の日産GT−Rに通常のマイナーチェンジとは思えないほど手が入っていることは、見た目からしてすぐにわかる。エクステリアでは、ヘッドランプの先にまでフロントフェンダーが回りこむような造形となっており、空力性能を追求していることが一目瞭然。またフロントグリルは日産のデザイン・シグネチャーであるVモーショングリルが与えられており、よりアグレッシブな印象となっているが、それ以上に開口部の大きさを増しているなど、冷却性能の向上等を狙った処理が目につく。また新色“ブレーズ・オレンジ”が追加されたのも特徴。日産はこれまでに、様々なモデルでオレンジ色を採用してきた経緯があるが、これをついにGT−Rにも採用したことは何かを示唆するのかもしれない。またリアに周り込むと、こちらもバンパー形状が一新される他、ボディの下周りを取り囲むスカート類も新形状となっている。

一方でインテリアも大幅に変更されていた。まず特徴的だったのはステアリングホイールが新デザインとされていたこと。ダッシュボードの形状自体も改められていた他、ナビ画面周りからセンターコンソールに至るまでの造形も変わっている。さらにスイッチ類こそ従来のものを使用しているものの、配置は変更されており、よりドライビングに適したレイアウトを取っていた。

そしてメカニズム的な部分でのハイライトといえるのが、エンジンのパワーアップだろう。最高出力は20HPアップの565HPへと出力向上を果たしているが、これは同時にトルクアップを果たしていることは間違いない。おそらく最高出力を高めただけでなく、エンジンのレスポンスの良さ等を見直しており、速さだけでなく扱いやすさも手にいれているはずだ。ちなみに565HPは日本的な表示でいえば570psということになるだろう。試しにマフラーを見てみると、こちらも新たなものとなっており、おそらくチタン等を使っているように思える。

またこの他にも、シャシーにはかなり手が入れられており、これまで以上に高い安定性と操縦性を両立したものになっているだろうと容易に想像がつく。細かな部分については動画を参考にしていただきたい。

しかしながら気になるのは、マイナーチェンジでこれほどまでに多岐に渡って手を入れていることだろう。登場から9年が経過していることを考えると、通常であればここまで改良や進化を図ることはしない。そうした慣習とは違って、大幅に進化熟成を果たしたあたりに、「最後の」と噂される理由があるのではないだろうか?

それはつまり、今回大幅に手を入れることによって、ここから数年を生きてもらうためのマイナーチェンジではないか、と。

もちろん詳細については分からないし、明らかにもされていない。また日本仕様についても詳細は不明だ。しかしながら日産GT−Rは、今回のマイナーチェンジで一層の「熟成」を極めた存在となったと同時に、日産ブランドの持つスポーツの側面を象徴するフラッグシップモデルとして君臨している。

だがやはり、そうして見るほどに果たして今後は? と思わずにいられない今回の発表であった。

自動車ジャーナリスト

1970年5月9日茨城県生まれAB型。日大芸術学部文芸学科卒業後、自動車雑誌アルバイトを経てフリーの自動車ジャーナリストに。日本自動車ジャーナリスト協会会員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。YouTubeで独自の動画チャンネル「LOVECARS!TV!」(登録者数50万人)を持つ。

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