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【京都】綾部市 紅葉や茅葺きの美しい寺『安国寺』は歴史深い足利尊氏公ゆかりの寺!

高津商会RICALIFE&文化芸術☆プロデューサー/ジャーナリスト(京都市)

京都の綾部にある「安国寺」は、1339年室町幕府の初代将軍、足利尊氏により創建された由緒ある寺院です。

寺伝によると「安国寺」は、993年に「光福寺」として創建され、また室町幕府を開いた足利尊氏公出生の地とも伝えられています。

紅葉がトンネルのように美しい境内へと続く山道は、秋になると大変多くの参拝客で賑わいます。

100本以上の樹齢80年を越す美しい紅葉が鮮やかに色づき秋はまた違った姿を見せてくれるそうです♪

また、境内入り口には「足利尊氏産湯の井戸」もあります。

綾部の歴史を伝える貴重な文化遺産をたくさん所蔵されている「安国寺」は、1342年に「景徳山安国寺」と改められました。

「安国寺」の本堂には、ご本尊である「釈迦三尊坐像」や「地蔵菩薩半跏像」など国の重要文化財も多数所蔵されています。

暦応4(1341)年、円派の仏師豪円により刻まれた傑作と伝わる「釈迦三尊坐像」は必見です!

説明を聞けば聞くほど、歴史が深いことに感銘を受けます。

足利尊氏出生の地と伝えられる「安国寺」。

境内には清子、尊氏、登子の分骨が収まった宝篋印塔が3基並んで建っています。

「開山堂山道門」です。

尊氏の産髪、産着で作った袈裟が残っているとも伝わる「安国寺」。

南北朝の争乱に殉じた人々の霊を供養する「安国寺利生塔」の筆頭である「安国寺」。

先祖である源義家が足利家に残した置文に記した天下取りの悲願を、足利尊氏が建武式目を定め室町幕府を開いたことで達成されます。

尊氏は、延元元年(1305)母・清子の実家があり、上杉氏の所領であった丹波国上杉庄(綾部市上杉町)で生まれたと伝わります。

山門にも「丸に二」の紋が見れます。

立派な鐘楼も見れました。

ご本尊と地蔵様のお話を聞きます。

本堂は江戸時代に作られたものだが、ご本尊は1341年に円派仏師豪円作と伝わり、そしてお地蔵様は平安時代のものだそう。

右には獅子に乗った知恵の仏「文珠菩薩」、左には象に乗った慈悲の仏「普賢菩薩」の三尊が置かれています(重要文化財指定)。

元は密教として存在していた「光福寺」では、護摩焚き供養を行われていたそうです。

境内の中は凛とした空気が張り詰めており、とっても平和でかつありがたい思いでいっぱいになりました。

ご本尊は、数年前に京都国立博物館で修理に出られたところ、体内から新たなものが発見されたそう。

なかなか子に恵まれなかった母・清子は、上杉の氏寺であった「光福寺(現・安国寺)」にてお地蔵様にお参りをしていたところ、満願の日にご懐妊されたとのこと。

境内の中には、お礼参りに来た人たちのよだれかけが沢山かけられています。

嵐山の「天龍寺」などで知られる高僧「夢想疎石」は「合戦に命を捨てねばならないようなときでも、笑を含んで畏怖の心がない。慈悲心は天性であって人を憎むことがない。心が広大であって物惜しみ気なし」と尊氏を評したそうです。

今では、臨済宗東福寺派となっている「安国寺」は、もともとは「安国寺本山」でした。

茅葺きが美しい庫裡や方丈も重要文化財に指定されています。

「安国寺」は、アニメ「一休さん」の修行した寺のモデルにもなったと伝わるそうです。

次回は、秋の紅葉がきれいな時にまた伺いますね!とお寺の関係者さんに手を振りました。

安国寺
所在地綾部市安国寺町寺ノ段1
時間夏季 8:00~18:00
冬季 8:00~17:00
利用料金境内の拝観は無料。寺内の拝観には志納金が必要(仏殿拝観は志納金300円)
開基[開基] 足利尊氏

LIFE&文化芸術☆プロデューサー/ジャーナリスト(京都市)

京都で生まれ育つ。世界各地を周遊、欧米中心に20年ほど滞在し京都に帰還。日本のコアな伝統文化や芸能、神社仏閣や裏歴史、催事らを国内外の旅サイト・雑誌・新聞で執筆。経験に基づく“陰謀説”の電子書籍出版あり。ジャーナリスト、写真映像家、イベントプロデューサー、特殊ツアーガイドから日本庭園庭師までマルチに活躍。京都太秦にある老舗『髙津商会』にて映画・美術装飾・アート&エンタメ、海外事業に携わりつつ伝統文化・芸能などに関わる史実や古美術らについて勉強中。『京愛』や『日本愛』を深める毎日。

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