【京都市上京区】京都にもあった平清盛建立の厳島神社で百日紅が見ごろ! 伝承される恋バナとは?
京都にも厳島神社があるのはご存じですか? 菅原院天満宮神社の管轄となり、京都御苑内にある九條家の鎮守社だった厳島神社(いつくしまじんじゃ)は、平清盛が母祇園女御のため厳島神社の神を祀ったのが始まりで、市杵島姫命、田心姫命、湍津姫命も合わせて祀っています。池社前の石鳥居は笠木が唐破風で京都三珍鳥居の一つで池の弁財天とも呼ばれています。
その厳島神社で百日紅(サルスベリ ひゃくじつこう)が見ごろだと聞いて、2023年8月28日の早朝に訪れました。京都御苑の丸太町通に面した間之町口を入ると目の前の百日紅が満開でした。
厳島神社境内に入ると、2022年に改修工事を終え、真新しくなった旧九條家茶室の拾翠亭(しゅうすいてい)や高倉橋を背景に百日紅がピンクの明るく華やかな花を咲かせ見ごろを迎えています。こちらは、猿ですら滑り落ちてしまいそうなツルツルした樹皮の様子も良く分かります。高倉橋の石脚は400年前の三条大橋、五条大橋のものが転用されているのだそうです。
百日紅は、花びらは6枚で縮れており、3〜4センチほどの大きさで可憐な印象があります。葉は楕円形をしており、向かい合って生える特徴があります。「百日紅」の名称には朝鮮半島の物語を由来とする伝承があります。
その昔、朝鮮半島には龍神への生け贄として若い娘を捧げる習慣があり、その国の王子は娘を助けるために龍神を倒してしまいます。王子は娘に「100日後には迎えに来る」と言い残し、国に帰るのですが、100日後、王子が再度村を訪れると、娘はすでに亡くなっていました。あるとき、その娘の墓から1本の木が生え、きれいな花を咲かせます。それが百日紅だったのだとか。
「あなたを信じる」といった花言葉はこの伝承から生まれたと言います。受験や面接を控える人にとって「滑る」は縁起が悪いとされ、避けられがちな百日紅ですが、こんな恋バナもあったのですね! 池と傍らの拾翠亭はもと九條家のもので、京都厳島神社は同家の鎮守社でした。社前の石鳥居は笠木が唐破風で京都三珍鳥居の一つで池の弁財天とも呼ばれています。
建礼門前でも同じ種の百日紅の花が見ごろを迎えていました。この日は見事に晴れ渡り、百日紅の背景となる豪壮な建礼門が見事にインスタ映えしていました。
京都厳島神社(外部リンク) 京都市上京区京都御苑6