「古事記」の語り部・稗田阿礼を祀る「賣太神社」稗田阿礼は記憶力に優れた優秀な役人でした。天皇が稗田阿礼に命じ、古代からの伝承を暗誦して読んだものを大安万侶が筆録し、「古事記」が完成しました。

稗田阿礼の遺徳を偲んで、毎年8月16日に『阿礼祭』が開催されます。

『阿礼祭』は児童文学者で、童謡「夕やけ小やけ」を作詞した久留島武彦さんが「アンデルセンに匹敵する日本のお話の神様は稗田阿礼が最もふさわしい」と、全国の童話作家の協力を得て昭和5年から始まりました。終戦の翌日の昭和20年8月16日にも「子供達によいお話を」と開催され、95回目となる今まで一度も中止されることはありませんでした。

稗田阿礼を讃える舞として、伝統を引き継ぐ地元の子供たちが「稗田の舞」を奉納。神賑行事の幕開けは、子供たちの太鼓集団金魚太鼓の和太鼓演奏が行われます。今年は市政70周年を祝して「郡山音頭」が奉納されます。その後、全国童話人協会の方による「奉納童話会」なども開催されます。

賣太神社境内

語り部の神様・稗田阿礼は、一度、目や耳にしたことは決して忘れなかったそうです。

「記憶力大会」も開催！

抜群の記憶力を生かして古事記の編纂に携わった稗田阿礼にちなんで、2月に大和郡山市で「記憶力大会」が開催されています。記憶力に自信のある方は、現在版・記憶の神様「稗田阿礼」を目指して、参加されてはいかがでしょうか？

環濠集落の中にある「賣太神社」

賣太神社がある「稗田環濠集落」は環濠と大和棟が同時に見れる珍しい場所です。中世争乱の世に自衛を図り、水利の便も兼ねていました。ほぼ完全な形で残されていて、市指定文化財となっています。

かんかん照りのお天気続きでしたが、環濠はたっぷりの水をたたえていました。『阿礼祭』の後は、緑が美しい景色を眺めながら、環濠集落をお散歩されてはいかがでしょうか？