米長期金利は4.5%が視野に
米連邦準備理事会(FRB)は9月18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)において、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.5%引き下げ、4.75~5.00%とした。
16日のアジア市場の取引時間帯にドル円は一時140円を割り込み、139円58銭近辺と2023年7月以来およそ1年2か月ぶりの円高ドル安水準を付けた。
米10年債利回りは16日に3.6%近くまで低下した。ところが、ここがボトムとなって米10年債利回りは上昇基調となってきた。
市場では11月にも0.5%の利下げが決定されるとの期待が出ていたが、米10年債利回りの動きをみると、そういった期待が出ていたのかやや疑わしい。
米経済指標などを受けて、次第に11月の大幅利下げ観測が後退し、通常の0.25%の利下げに止まるとの見方が強まった。
それでも米10年債利回りの上昇は止まらず、あっさりと4%台を回復した。10月28日には7月24日の4.29%を超える4.30%を一時付けてきた。
チャートからみると、28日に4.3%を付けたことで、次の節目の7月1日につけた4.49%が視野に入る。つまり4.5%あたりまで今後、上昇してきてもおかしくはない。
ただし、そうなると11月のFRBによる利下げそのものがパスされる可能性も意識されよう。
米長期金利の上昇がファンダメンタルズやFRBの動向以外の要因によって起きている可能性も否定できない。
11月のFOMCは6日、7日に予定されている。その前の5日に米大統領選挙が実施される。民主党のハリス氏と共和党のトランプ氏との対決となるが、いずれの候補者が大統領となっても、積極的な経済政策を行うと予想されている。
特にトランプ氏による政策での財政悪化も意識されて、米長期金利に上昇圧力が加わる可能性もある。このあたりにも注意が必要か。