ガソリン価格、大幅値上げも世界標準から見ると安い 日本のガソリン代の行方 #専門家のまとめ
ガソリン補助金が段階的に縮小されており、年末年始にかけてガソリン代が大きく上昇中です。2024年12月18日までは補助金が出ていたため、約175円/Lでした。しかし、同月19日に補助金が5円縮小。さらに2025年1月16日、5円補助金が縮小されるため、185円/Lになる恐れがあります。ガソリン価格の上昇は家計や地方経済へのダメージを与えそうです。反面、世界標準から見ると、日本のガソリン価格は安いとされています。環境問題への配慮からガソリン価格を高く設定する国が多いからです。
ココがポイント
ガソリン価格10円アップ 年末年始 /ガソリン暫定税率の撤廃はいつ?
エキスパートの補足・見解
欧州では環境問題の視点から、ガソリン価格が高く設定されています。ドイツやフランスではすでに補助金を終了させており、G7で補助が続いているのは英国と日本のみです。英国は自国でもエネルギー生産がある国で、ガソリン価格が安い米国やカナダも同様で産油国です。産油国でない日本が補助金を1月以降も継続させていくのは財政負担が大きそうです。2024年12月20日に発表された与党税制改正大綱では「ガソリンの暫定税率」が廃止されることが明記されました。しかし、これから協議される段階で開始される日程などは決まっていません。ガソリン暫定税率が廃止されれば、ガソリン価格はもちろん安くなりますが、国と地方の税収が大幅に減ります。世界的には、ガソリン、お酒、タバコなどに対しては高い税率をかける国も多い中、日本は逆行するのでしょうか。もちろん、ガソリン価格が下がれば、今の家計にとっては助かります。しかし、財政や環境などへの配慮とバランスを考える必要があるのではないでしょうか。