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「家が狭い」を解消する、くつろぐための片付け術

ご自宅の広さに、満足していますか?「もっと広い家に引っ越したいな…」なんて、毎日漠然と考えたりしていませんか?

自分の家の広さが気になった時、国土交通省住生活基本計画の定める、「誘導居住面積」が参考になります。豊かな住生活を実現するための必要面積を指しており、都市居住者は「世帯人口×20平米+15平米」、一般居住者は「世帯人口×25平米+25平米」が必要です。
東京にお住まいの4人家族であれば、95平米が理想の広さといえます。
+15平米(あるいは20平米)は「バッファ」。快適に過ごすために必要な「自由空間」です。

あなたの家は、1人あたり20~25平米(11~13畳)のスペースを確保できているでしょうか?

家の面積は十分でも、荷物や家具に自由空間が奪われていれば、決して快適とはいえません。また、豪華な調度品で占められたリビングより、家族全員がくつろげるようにラグマットを引いたリビングのほうが、生理的欲求をダイレクトに満たせます。

職業柄、部屋の撮影現場に立ち会う機会が多いのですが、写真映えする部屋が使いやすいとは全く限りません。たいていは撮影前に日用品を隠して余白を作り、そこにデザイン性の高いアイテムをちょっとだけ飾る、という小細工を施しています。

インテリア雑貨は、使いやすく整った空間にのみ効果的なもの。片づけが完了した人の、趣味の世界です。ほこりを被ったオシャレな雑貨棚に出しっぱなしの書類や日用品が混ざって置かれている状態であれば、雑貨は諦めて最初から潔く「収納カゴ」を置いてしまったほうが機能的で見栄えもいいはずです。

インテリアを重視した家具や小物は、家の中で目と手が届きやすい「ゴールデンゾーン」を占拠してしまい、頻繁に出し入れするモノの定位置を奪います。部屋が垢抜けない原因は、所狭しと並べたインテリアグッズにあるのかも。一度、箱に詰めて押し入れにしまうか手放して、テレワークや家族との団欒を意味する「社会的欲求」を十分満たせるまではインテリアはお預けとしましょう。

【米田まりな】1991年生まれ。整理収納アドバイザー1級。モノを愛してやまない人に向けた「捨てない片づけ」を考案。著書に「あの人に、イライラするのは部屋のせい」「集中できないのは部屋のせい」(PHP研究所)「捨てない片づけ」(ディスカバー21)。日経新聞NIKKEIプラスワンにて連載中。東京大学経済学部を2014年に卒業後、総合商社でベンチャー投資を担当し、現在は不動産ディベロッパーに勤務。平日は会社員として働きながら、副業で片付けの普及活動をしている。

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