金正恩氏の「ヘンな写真特集」を北朝鮮幹部が見ている
北朝鮮の御用メディア団体である朝鮮記者同盟中央委員会は2日、デイリーNKを名指しで非難するスポークスマン談話を発表した。それを伝えた朝鮮中央通信は、次のように報じている。
正恩氏のトイレ事情も
「スポークスマンは、『朝鮮日報』『中央日報』『聯合ニュース』『ニュース1』『デーリーNK』をはじめとする南朝鮮のかいらい保守メディアがわれわれの200日間キャンペーンの目覚しい成果をけなそうとさまざまな悪口を並べ立てている」
「同族をけなし、対決をあおり立てる挑発的な悪態をやたらにつくかいらい悪質保守メディアの鼻持ちならない行為は、彼ら自らが言論の仮面をかぶったえせ集団、権力の侍女として憎悪と敵撃滅の対象である朴槿恵とぐるになった汚らわしい売文集団であることをいっそう赤裸々に現すだけである」(以上、原文ママ)
北朝鮮からこのように罵倒されると、こちらとしては何だか褒められているような気がしてくるというものだ。
ちなみに正確を期すなら、北朝鮮が名指しで非難したのはわが「デイリーNKジャパン」(以下、日本版)ではなく、デイリーNKの韓国版の方だ。ただ、ウェブサイトの閲覧動向(トラフィック)を解析するサービスを使ってみたところ、わが日本版にも時々、ごくごく少数ながら、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)からの訪問者のあることが分かっている。
周知のとおり、北朝鮮ではインターネットの利用が厳しく統制されている。一般国民がアクセスできる機会は「ゼロ」と言っても過言ではない。しかもわが日本版は、韓国版と比べても、金正恩党委員長について遠慮のない記事をバンバン載せている。
そうした事情を踏まえると、わが日本語版を見ているのは海外メディアの動向をウォッチする使命を帯びた当局者か、あるいは相当な権力を持っている人物だ。しかし、仮にそれが当局者だったとしても、「金正恩氏が自分の“ヘンな写真”をせっせと公開するのはナゼなのか」とか、「金正恩氏が一般人と同じトイレを使えない訳」などといった記事を見つけたとして、それをどうやって上層部に報告するのだろうか。
(参考記事:金正恩氏が自分の“ヘンな写真”をせっせと公開するのはナゼなのか)
(参考記事:金正恩氏が一般人と同じトイレを使えない訳)
父の女性遍歴に関心!?
正恩氏のやってきたことを考えれば、そんなものを「見てしまった」と知れただけで、銃殺刑にされてしまうかもしれない。
ということはやはり、わが日本版を訪れているのは相当高位の幹部なのだろうか。いや、幹部であっても正恩氏の怒りを買えば命はない。
するとまさかとは思うが、もしかしたら正恩氏本人が見に来ていたのだろうか。たしかにわが日本版には、金正日総書記の女性遍歴に関するものなど、彼の興味を引きそうな記事も色々と載っている。
いずれにしても、正恩氏はもういっぱしの独裁者なのだから、物陰に隠れてメディアの動向を見張ったり、ものを言ったりする必要はない。堂々と出てきて、どこのインタビューでも受けてみれば良いのだ。
(参考記事:金正日の女性関係、数知れぬ犠牲者たち)