Yahoo!ニュース

【秋田県にかほ市】昔ながらの丁寧な製法で作られる「永田屋」の”ハタハタすし”を食べてみました。

佐藤らなこ地域情報発信ライター(由利本荘市・にかほ市)

こんにちは!地域情報発信ライターの佐藤らなこです。

みなさんはハタハタはどのようにして食べますか?
私は塩焼きにして食べることがほとんどで、しょっつる鍋で食べたことが数回あるぐらいです。

秋田県民でも私のようにハタハタは食べるけれども、ハタハタ寿司は食べたことがないという方はいらっしゃるのではないでしょうか。というわけで、本日はにかほ市の「永田屋」で製造販売されている”ハタハタすし”をご紹介いたします。人生で初めて食べてみました!

※郷土料理としては「ハタハタ寿司」、永田屋の商品名としては「ハタハタすし」と区別して表記します。

元祖 永田屋

永田屋の外観
永田屋の外観

永田屋はハタハタ寿司の製造販売元ですが、前回ご紹介した「キッチンさかなやさん」も経営しています。

日本海東北自動車道の金浦ICから車で約5分、JR仁賀保駅からだと車で数分、徒歩だと10分程のところにあり、「キッチンさかなやさん」からは歩いて数分です。

店内につるされているハタハタすしのパッケージ
店内につるされているハタハタすしのパッケージ

永田屋では昔ながらの製法と秋田県産のハタハタにこだわり、”ハタハタすし”の製造を170年以上も続けている老舗。ハタハタに糀・海草等を主原料とし、化学調味料、防腐剤を一切使用せず、丁寧に層にして漬け込むのが永田屋の製造方法だそうです。

ハタハタすしのカバー
ハタハタすしのカバー

永田屋の”ハタハタすし”のカバーのハタハタは、現社長のおじいさまが親しくしていた北海道の画家の方が描いたもの。とても素晴らしい絵なので、当時は他の製造販売元でも使われるほどだったそうです。

ハタハタ寿司とは

永田屋のチラシ
永田屋のチラシ

ハタハタ寿司は江戸時代から冬の保存食として考案されたもので、秋田県沿岸部を中心に各家庭で作られるようになりました。地域により製法には少し違いがあるようです。

農林水産省のホームページによると、以下のような記述がありました。

・ハタハタの頭、えら、内臓を取りのぞいて漬けた一匹ずしは大みそかや正月のお供え用として、一口サイズの切り身にして漬けた切りずしは正月料理に欠かせない一品。

・洗って一口大サイズに切ったハタハタを、調味料を加えた酢水に3日間漬け込む。 桶に笹、麴ご飯、ハタハタ、にんじん、ふのり、ゆず、の順に重ね冷蔵室で発酵させる。

・ハタハタ漁は八森の岩館海岸も有名だが、にかほ市の平沢漁港も盛ん。現在は昔ながらの純手作り製法で作っているのは、明治時代からハタハタ卸専門店として受け継がれている「三浦米太郎商店」と「永田商店」の2軒のみ。

ハタハタ(画像提供: 一般社団法人秋田県観光連盟)
ハタハタ(画像提供: 一般社団法人秋田県観光連盟)

近年では原料であるハタハタを十分に確保できないという問題もあります。秋田県ではハタハタの漁ができる期間が限られているのと、気候変動による水温の変化などで漁獲量が激減しているからです。

そのため、永田屋では”ハタハタすし”の値段はその年によって変動するとのこと。今年はどうなるかわからず気がかりだと社長さんはおっしゃっていました。

永田屋の"ハタハタすし"

300g ケースなし
300g ケースなし

さて、今回はいつもお世話になっている方から永田屋の"ハタハタすし"をいただきまして、人生で初めて食べてみることになりました!

ハタハタ寿司はこれまで食べた記憶がないのに、苦手意識があり、食べず嫌いなのか何なのかの検証も兼ねています(笑)

こちらの”ハタハタすし”はオス切り身300gで、ケースなしの簡易包装のもの。自宅用でケースは不要となると、少しお安くなるようです。包み紙に描かれているハタハタと波と岩場の絵がレトロでかわいい~。

包み紙の中はこんな感じ。
包み紙の中はこんな感じ。

永田屋では今の時期は冷凍で販売しているそうです。いただいた後は冷蔵庫で保管し、数日後のお昼に早速食べてみることにしました。

ハタハタ寿司はこれまでちゃんと見たことがなかったので、興味津々で開封!扇形にカットされたハタハタ寿司が3枚ほど入っていました。オレンジの人参が鮮やかさを演出しています。

層になっているハタハタすし
層になっているハタハタすし

笹の葉で仕切られて層になっているのがわかります。写真を撮っているうちに、なんだかちょっと見た目(形と色)がチヂミに見えてきました。(笑)

永田屋の”ハタハタすし”の原材料を書きおこしてみると...、ハタハタ(秋田県産)、米、糀、にんじん、ふのり、しょうが、砂糖、醸造酢、塩、酒となっています。

食べてみました!

まずはそのままで。
まずはそのままで。

まずはそのままで食べてみることにしました。
ハタハタは切り身になっているので食べやすく、歯ごたえがいいです。苦手な人はこの酸味と糀かな。よく言われている日本酒に合うというのがわかった気がしました。(私はお酒が飲めないんですけどね。笑)

ちょっと焼いてみました

軽く焼いてみました。
軽く焼いてみました。

ハタハタ寿司からハタハタを取り出してトースターで焼いて食べる方もいるとお聞きし、早速やってみました。しかし、今回の商品は切り身だったので、フライパンでささっと。ズボラな私はハタハタだけじゃなく、人参やお米の部分も一緒にさっと炙っちゃいました。

ちょっと甘くなりました。
ちょっと甘くなりました。

火を通すと酸味が飛ぶそうですが、その通りでした。みりん干しのような甘みを感じたのと、ハタハタがふっくらして、食べやすくなったような気がします。

他には、適量のハタハタ寿司をお椀によそい、お湯を注いで塩昆布をプラスしてお吸い物やお茶漬け風にする食べ方もあるようです。それもやってみたのですが、塩昆布の出汁と塩味が加わり、ハタハタの身も柔らかくなり美味しくいただけました。

まだハタハタ寿司を食べたことがない方、ちょっと興味をもっていただけたでしょうか。ぜひ一度お試しあれ~!

永田屋の”ハタハタすし”を購入できる場所

永田屋の商品(一部)
永田屋の商品(一部)

永田屋の”ハタハタすし”を通年で購入できる場所は、永田屋店舗以外は以下の通りです。(すべて秋田市内)
秋田県産品プラザ
秋田市民市場
秋田まるごと市場
西武秋田店
販売箇所により取り扱ってる商品の種類や大きさ、金額は異なります。売り切れとなっている場合もありますので、ご了承ください。

【元祖 永田屋】
住所:秋田県にかほ市平沢字中町43
電話番号:0184-35-2943
営業時間:8:30~17:00
定休日:なし
駐車場:あり
公式ホームページ(外部リンク)

地域情報発信ライター(由利本荘市・にかほ市)

生まれも育ちも秋田市。夫の転勤に伴い、2022年より由利本荘市在住。おいしそうなものや楽しそうな場所、おもしろそうなことにいつもアンテナを張っています。元旅行会社勤務の視点と住民目線との両方から由利本荘市とにかほ市の魅力を発掘し、ワクワク楽しくなる情報をお届けします。

佐藤らなこの最近の記事