対イラン制裁疑惑違反で創業者の娘が逮捕=ファーウェイが声明を発表
中国通信機器大手ファーウェイの孟晩舟CFO(最高財務責任者)が12月1日、カナダで逮捕されたことが明らかとなった。
英国や豪州での5G通信機器入札から外されるなど、ファーウェイを取り巻く環境が厳しくなるなか、同社にとってはさらなる打撃となる。
孟氏はファーウェイの創業者・任正非氏の娘、次期トップの最有力候補と見なされてきた人物だ。ことは一企業の問題をこえ、国際問題となることは間違いない。ファーウェイは先ほど次のようなステートメントを発表している。
カナダ紙グローブ・アンド・メール報道に関する弊社グループ ステートメント
当社CFO(最高財務責任者)である孟晩舟が、このたび、カナダでの航空機の乗り継ぎ時にアメリカ合衆国(以下、米国)の委任を受けたカナダ当局に一時拘束されました。米国はニューヨーク東地区連邦地方裁判所での未特定の容疑に対する告訴のため、孟の身柄の引き渡しを求めています。
当社は本件に関してほとんど情報提供を受けておらず、また、孟によるいかなる不正とみなされる行為も把握しておりません。当社はカナダならびに米国の司法システムを通じて公正な結論が導かれるものと確信しています。
ファーウェイは、国際連合、米国ならびに欧州連合の関連輸出規制・制裁を含め、当社が事業を行う国と地域のすべて法規制を遵守しています。
ファーウェイは容疑を全面否定している。詳細が明らかになるまでには時間が必要だろう。想起されるのは今年前半、ファーウェイと並ぶ中国通信機器大手のZTEに科された制裁だ。世界的企業のZTEであるが、通信機器にせよスマートフォンにせよ、中核部品の多くは米国や日本などの先進国に依存している。制裁によって破綻寸前まで追い込まれたことは中国政府、中国国民に大きな衝撃を与えた。同じ対イラン制裁違反疑惑ということで、ファーウェイにも同様の制裁が科される可能性も否定できない。
通信機器で世界一、スマートフォンで世界3位と、世界をリードする企業に成長したファーウェイだが、今、強烈な逆風にさらされている。