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【龍神、リオへ挑む】WLで韓国に勝ち越した日本男子バレー、勝利は自信そして明日への力に

大林素子スポーツキャスター、女優

「出だしからリード」がポイントだった

韓国ラウンドで1勝1敗。初戦は3-1で勝ったが、その後の2戦目が自分たちのプレーができず0-3の完敗という形だった。

日本と同じく世代交代で若手中心の韓国はサーブが強いチーム。負けてしまった試合もそうだったが、リードされてしまうと韓国の選手たちはサーブや攻撃を思い切ってくる。若さゆえの活力であり強さだ。

ゆえに日本としては出だしから2点か3点、常にリードしておかなければならない。それが大課題だった。

柳田将洋も50%を超えるアタック決定率をあげ「理想的な展開」
柳田将洋も50%を超えるアタック決定率をあげ「理想的な展開」

「2連勝に意味がある」

そうして迎えた日本ラウンドの初戦。

日本はとにかくサーブで攻めていった。出だしからコンビも決まったし、ブロックも決まり、入り方が最高によかった。それが最後まで持続した。常にリードしていく展開でストレート勝ち。

逆に韓国はリードされ、一番の持ち味であるサーブで攻めていくバレーができなかった。日本の狙い通り。

ホームでまず初戦で勝ったことは大きかった。

ただ韓国ラウンドでそうだったように韓国というチームは戻せる力、勢いがあるチーム。2戦目にどう出てくるのかが気になっていた。実際韓国は初戦とはまったく違ったモチベーションできた。作戦やメンバーも変わった。それでも日本は第1セット序盤こそ、少しリードされたが、サーブで攻め逆転するなど、きっちり対応した。そうして2戦目もストレート勝ち。

2連勝できたのが意味があるとセッター深津英臣
2連勝できたのが意味があるとセッター深津英臣

セッターの深津英臣も言っていたが、やはり「2連勝できたのが意味がある」。選手にとって大きな自信になったと思う。

ミドルもサイドも高い決定率

ミドルブロッカー(山内晶大、出耒田敬)の決定率も両日高かった(数字で見れば70、80%決めている)。レセプションも初戦などは73.81%(韓国45.45%)で攻撃もサイドの浅野博亮、清水邦広、柳田将洋の3人が50%を超える決定率(2戦目も清水、柳田は同様)。理想的ないい展開だった。

アクシデントも、助け合い補えた

実はミドルの鈴木寛史が試合前日から腰痛のため出場できなくなり、出耒田が初戦はスタメン。実は膝のけがからのコンディションなど含め、70%しか回復していないという出耒田だったが、代わりがいないときの危機感は選手をやる気にさせるものだ。しかし、コンビもよく攻撃も決まり活躍していたところで、第2セットにねんざ。

そこで代わって出たのが兒玉康成。その兒玉が活躍しそのままセットを取った。兒玉にとって出耒田は大学の先輩(出耒田が4年のときの1年)。直属の先輩で追いつけ追い越せできた人の代わりに出て結果を出したのは次につながるいい経験になったと思う。練習中でも試合中でも「まず自分が出来ることをしっかりやろう!」と盛り上げるべく一番声を出しているのは兒玉だ。しかし緊張もあったところを、先輩たちが兒玉に声をかけ助けた。だから気負うことなくプレー出来たという。アクシデントがあったときのみんなの助け合い、いい形で補えたことはチームにとっても明日への力になったと思う。

今季の全日本男子は誰のチームというよりも全員が主役で、全員のバレー。

今までだったら清水というエースがいて清水中心の形だったが、「NEXT4」を中心に新たな形を作っている今は、新たな南部バレーの原点となると思う。

石川祐希ら「NEXT4」を中心に新たな形を作っている。ミックスゾーンで石川を取材
石川祐希ら「NEXT4」を中心に新たな形を作っている。ミックスゾーンで石川を取材

チェコに連勝で終わりたい

ワールドリーグの戦いは続いています。

南部ジャパンは世界バレー4位のフランスとアウェーで戦い連敗。故障者が出たこと、ユニバーシアードに出耒田敬、柳田将洋、兒玉康成らが出場ということで選手登録は10名、ミドルブロッカーの位置に栗山雅史が入る苦しい布陣。 6月27日終了時点で日本は4勝6敗で(グループ2・プールD)2位。フランスがすでにファイナル4(グループ2)進出を決めました。

次はチェコ戦。変わろうとしている日本男子バレー、応援お願いします。

■ワールドリーグ2015の結果(日本バレーボール協会)

ワールドカップバレー2015の日程・組み合わせ(日本バレーボール協会)

■龍神NIPPONのメンバー(日本バレーボール協会)

スポーツキャスター、女優

バレーボール全日本女子代表としてソウル、バルセロナ、アトランタ五輪をはじめ、世界選手権、ワールドカップにも出場。国内では日立や東洋紡、海外では日本人初のプロ選手としてイタリアセリエAで活躍した。現役引退後は、キャスター・解説者としてバレーボール中心にスポーツを取材。日本スポーツマスターズ委員会シンボルメンバー、JOC環境アンバサダー、JVA(日本バレーボール協会)広報委員、JVAテクニカル委員、観光庁「スポーツ観光マイスター」、福島県・しゃくなげ大使としても活躍中。また、近年は演劇にも活動の場を広げ、蜷川幸雄作品や『MOTHER~特攻の母 鳥濱トメ物語~』などに出演している。

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