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日本サッカーの一時代を築いた柳沢敦と中田浩二の引退、「お疲れ様だけではだめ」セルジオ越後の慰労の言葉

浅野祐介ウォーカープラス編集長

大雪のため延期となっていたアルビレックス新潟と柏レイソルが8日、代替地のカシマスタジアムで開催。柏が新潟に2-0で勝利を収めたこの一戦をもって、J1の2014シーズン全日程が終了した。

J1復帰1年目のガンバ大阪が9年ぶり2度目のJ1王者の座に輝き、シーズン終盤でG大阪に逆転された浦和レッズが2位、鹿島アントラーズが3位に入り、この3チームが来季のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場権を獲得。天皇杯決勝に駒を進めているG大阪が同大会を制覇すると、リーグ戦4位のクラブにもACL出場権が与えられるが、最終節の勝利で勝ち点、得失点差でサガン鳥栖と並んだ柏レイソルが総得点で上回り4位に浮上、ACL出場権獲得に望みをつないでいる。

一方の残留争いは、最終節で清水エスパルスの15位が決まり、16位大宮アルディージャ、17位セレッソ大阪、18位徳島ヴォルティスがJ2に降格。湘南ベルマーレ、松本山雅FC、モンテディオ山形が来季、J1に昇格する。

■2014シーズンJ1最終順位表

1位 ガンバ大阪(勝ち点63/得失点差28)※ACL出場権

2位 浦和レッズ(勝ち点62/得失点差20)※ACL出場権

3位 鹿島アントラーズ(勝ち点60/得失点差25)※ACL出場権

4位 柏レイソル(勝ち点60/得失点差8/総得点48)

5位 サガン鳥栖(勝ち点60/得失点差8/総得点41)

6位 川崎フロンターレ(勝ち点55/得失点差13)

7位 横浜F・マリノス(勝ち点51/得失点差8)

8位 サンフレッチェ広島(勝ち点50/得失点差7)

9位 FC東京(勝ち点48/得失点差14)

10位 名古屋グランパス(勝ち点48/得失点差-1)

11位 ヴィッセル神戸(勝ち点45/得失点差-1)

12位 アルビレックス新潟(勝ち点44/得失点差-6)

13位 ヴァンフォーレ甲府(勝ち点41/得失点差-4)

14位 ベガルタ仙台(勝ち点38/得失点差-15)

15位 清水エスパルス(勝ち点36/得失点差-18)

16位 大宮アルディージャ(勝ち点35/得失点差-16)※J2降格

17位 セレッソ大阪(勝ち点31/得失点差-12)※J2降格

18位 徳島ヴォルティス(勝ち点14/得失点差-58)※J2降格

※ACL出場権はJ1の1位、2位クラブが本大会(グループステージ)より、3位クラブはプレーオフより出場。天皇杯決勝に進出しているG大阪が天皇杯に優勝した場合は4位のクラブがプレーオフ出場権を獲得

閉幕した2014年のJリーグをセルジオ越後氏に振り返ってもらった。

今季のJリーグが終了した。最後までもつれたJ1の優勝争いはガンバ大阪が制し、J1昇格プレーオフは山形が勝利した。ピッチ内外でいろいろな話題のあった今季、みんなは2014年のJリーグに何を思ったかな。

今シーズンをもって、仙台の柳沢敦と鹿島の中田浩二が揃って引退を表明した。Jリーグが開幕して、今年で21年。黄金世代とその周辺であり、日韓ワールドカップ時に躍動した彼らの世代は、ここ20年における日本サッカーの“一時代”といえるね。

柳沢も中田も、どこのチームに行ってもファンに好かれ、若手の手本となる選手だった。確固たる力のある選手たちだけに、まだまだやってほしいと願っているファンもいるだろう。どちらも海外移籍を経験しているけど、当時は日本人選手たちがまだ海外に渡り始めた時代で、メディアの視線も含め、今よりも難しい環境だったように思う。彼らの足跡が、その後の日本人選手の海外移籍増加につながっていったことは間違いないね。

こうして一時代が終わっていく様を見て、同時に考えてしまうのが日本の育成の現状だ。先人たちを超える世代が育ってきているか。進むべき方向性は間違っていないか。検証して修正することを恐れてはいないか。ただ単にお疲れ様を言うのではなく、こういう機会に常に足元を見つめなおしてもらいたいね。

八百長がどうだこうだと、まったくレベルの低い話でニュースに取り上げられているのが嘆かわしいよ。協会はスペインに調査員を派遣して、情報の多いところで徹底的に調べるべきだろう。本人の言うことを鵜呑みにしているだけでは何も分からない。それこそ、日本の週刊誌メディアの出番だと思うんだけど、誰かスペインに行っているのかな?

ともに海外でのプレー経験を持つ柳沢敦と中田浩二の引退。彼らは「日本サッカーの舞台」で、前者がJ1通算370試合出場108得点、日本代表通算58試合出場17得点、後者はJ1通算266試合出場33得点、日本代表通算57試合出場2得点という記録を残しピッチを去る。日本サッカーの“一時代”を築いた二人の歩みに最大限の敬意を払いつつ、彼らを超えていく新しい世代の躍動に期待したい。

セルジオ越後のサッカー日本代表論まとめ

ウォーカープラス編集長

編集者/KKベストセラーズで『Street JACK』などファッション誌の編集者として活動し、その後、株式会社フロムワンで雑誌『ワールドサッカーキング』、Webメディア『サッカーキング』 編集長を務めた。現在は株式会社KADOKAWAで『ウォーカープラス』編集長を担当。2022年3月にスタートした無料のプレスリリース配信サービス「PressWalker」では、メディアの観点から全プレスリリースに目を通し、編集記事化の監修も担当。

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