日銀がレートチェック実施、為替介入に向けた準備か
日銀が14日、為替介入の準備のために市場参加者に相場水準を尋ねる「レートチェック」を実施したことが分かった。複数の関係者が明らかにした。為替相場の動向を照会することで為替介入に備える動きとみられる(14日付日本経済新聞)。
これを受けて14日の朝方に145円に接近していたドル円は、14時過ぎに144円を割り込んできた。
その前に鈴木俊一財務相が官邸で記者団の取材に応じ、外国為替市場での円相場の急落に関し「あらゆる手段を排除せずに対応していかなければいけない」と述べた。手段に為替介入を含むかどうかについては「あらゆる手段であり、そう考えていい」と説明し、為替介入を含めて検討する考えを述べていた(共同通信)。
その上で、介入準備として捉えられているレートチェックを実施したとみられる。レートチェックとは介入の実行部隊である日銀が民間銀行に「いまのレートはいくら?」と聞くことである。レートチェックの実施が伝わると、市場では介入に対する警戒心が強まることとなる。今回もちゃんと市場は反応したが、ドル円は145円台に乗せられなかったこともあってポジション解消が入りやすい側面もあった。
レートチェックは、口先介入と同じような意味合いを持っている。これにより政府・日銀による単独介入の可能性が出てきたことはたしかである。現状、米国当局の動きは見えていない。もし米国の協調介入も呼び込みたいのであれば、財務省あたりから黒田総裁に対し金融政策への口先介入も必要なのではなかろうか。金融政策はあくまで日銀の専管事項であり、為替介入は財務省の専管事項なのではあるが。