Pixel 9 Proと8 Proで撮り比べ!カメラはどれだけ進化した?比較検証してみた結果
グーグルのスマートフォン Pixel 9 Proを買いました。わたしはもともとPixel 8 Proを持っていたのでこれを下取りに出すまでの間、Pixelを2台持ちすることになりました。せっかく2台のPixelがあるのでこの1年でスマホカメラがどれくらい進化しているのか比較してみました。
食べ物の写真を撮り比べてみた
まずはわたしがよくスマホで撮影する「食事」の写真で画質を比較します。機種は「Pixel 9 Pro」と「Pixel 8 Pro」のふたつです。これらのスマホはいずれも「超広角」、「広角」、「望遠」の3つのカメラを搭載していますが、今回はメインカメラである「広角」を用いて撮影しました。
同じ被写体をできるだけ同じような構図で撮っています。できるだけ光の環境が変わらないように間をおかずに撮影。撮影時に画面をタップして、同じところでピントと測光を行うようにして条件をそろえています。
まずはサラダの写真です。
比べてみてわかりやすいのは色の違いです。右のPixel 9 Pro の写真のほうが全体的に黄色っぽい色に寄っています。比較するとPixel 8 Pro のほうがやや青みが強いです。
お寿司の写真です。
ネタの上にのっているネギを見ると、左のPixel 8 Proは色が少しくすんで見えるのに対して、右のPixel 9 Proはより鮮やかな緑です。
次にフライドポテトの写真です。
ほとんど違いが見られません。ただし、ポテトがのっている黒いカゴの奥のほうの部分に着目すると、左のPixel 8 Proのほうがくっきりしています。Pixel 9 Proは手前側のポテトをくっきりと描写しつつ、奥側はなだらかにボケています。自然なボケ感です。
最後にかつ丼の写真です。
右側のPixel 9 Pro のほうがやや明るく撮れていて、緑が鮮やかです。
奥のほうに着目すると、やはりPixel 9 Pro のほうがなだらかにボケてやわらかい描写になっています。Pixel 8 Pro はくっきりハッキリしています。それぞれ違いはあるものの、どちらも美味しそうに撮れています。
あれ…実はあまり変わってない?
以上のようにふたつのスマホで写真を撮り比べてみましたが、どのように感じたでしょうか。おそらく一般の方からすると、Pixel 9 ProとPixel 8 Proを比べてもほとんど違いが分からないという人が多いのではないでしょうか。
わずかの違いではありますが、何枚も撮り比べてみることで一定の変化を読み取ることができたので以下に解説します。
Pixel 9 Pro と 8 Pro の比較のまとめ
写真の比較から読み取れたことをまとめると次のようになります。
- Pixel 9 Proのほうが色はやや暖色よりで、黄色みや赤みが強くなる傾向にある。Pixel 8 Pro のほうがすこし青みが強い。食事の写真においてはPixel 9 Proのほうが好ましい色のバランスに仕上がりやすい。
- Pixel 9 Proのほうが緑が鮮やかできれいに発色されやすい。
- Pixel 8 Proはやや線が太く全体的にはっきりと描写する傾向。よく言えば明瞭だが、画像を加工している印象があってやや不自然に感じることもある。
- Pixel 9 Proのほうが線や質感の表現がマイルドでやわらかい。背景がなだらかにボケており自然な見た目に近い。
全体的にはごく小さな差でしたが、比較してみると以上のような違いが見られました。
自撮りカメラには大きな変化が
以上はメインとなる「広角カメラ」の実写比較でした。Pixel の Proシリーズにはほかにも「超広角カメラ」や「望遠カメラ」、そして「前面カメラ」(インカメラ)が搭載されています。
特に自撮り用の前面カメラ(インカメラ)が大きく進化しているポイントだったので、実写比較を紹介します。
自撮りカメラで写真を比較してみると、メインカメラのときよりも違いが明らかでした。まずPixel 9 Proは画角が広がっています。さらに色もPixel 9 Proのほうが実際の見た目に近く、オレンジ色の照明の光を的確に反映しています。肌色を見てもPixel 9 Proのほうが健康的で好ましい印象に見えます。
インカメラは通常の1倍のほかに0.7倍を選ぶことができます。より画角が広がるので、複数人で記念撮影したり、背景をしっかり見せたいときに便利です。
なお自然光でもだいたい同じ傾向で、人肌が健康的な印象に見えます。
自撮り用の前面カメラ(インカメラ)は、Pixel 8 Proでは1050万画素だったのに対して、Pixel 9 Proでは4200万画素になっています。
※なお、筆者の環境ではなぜか4200万画素では記録できずに1000万画素になってしまいました。サポートに問い合わせたものの解決できず高画素化によるインカメラの違いを確認することはできませんでした。サポート側でも1000万画素で記録される状況を確認しているそうなので、そのうち対応してもらえると思います。
スペック表で総合的に見ると変化は少ない
以上が実際に撮影してみた比較ですが、スペック上でPixel 8 Proと Pixel 9 Proがどのように変わっているのかについて、まとめて解説します。
公式サイトの仕様表から、主な違いの箇所を赤で示しています。
これを見るとメインのカメラである「広角カメラ」はPixel 8 ProもPixel 9 Proも同じです。「新しいスマホはカメラが進化しているに違いない」と思う人もいらっしゃると思いますが、Pixel 9 Proのメインカメラはハードウェア上は前機種と比べて何も変わってません。望遠カメラも同様で変化がありません。
変化があるのは「ウルトラワイドカメラ」(超広角カメラ)です。絞り値がf/1.95からf/1.7に進化しています。F値は主に暗所での画質に影響する項目で、数字が小さいほどたくさん光を取り込めるので暗い場所でも高画質を期待できるようになります。
Pixel 9 Proのスペック上の主な進化点をまとめるとおよそ以下の通りです。
- プロセッサーが新世代のGoogle Tensor G4
- 超広角カメラが暗所に強くなった
- インカメラが高画素化して画角が広くなった
- 8K動画対応
新しいPixel 9 Pro はメインとなる背面カメラはそこまで大きく変わっていませんが、自撮り用の前面カメラは画質が大きく進化しました。Pixel 8 Proでもきれいに撮れていましたが、比べてみると明らかにPixel 9 Proのほうが人物の描写に優れています。インカメラで撮影する機会が多い方であれば、Pixel 8 ProからPixel 9 Proへの買い替えを検討してみても良いかもしれません。
YouTubeでもPixel 9 Pro と Pixel 8 Pro の画質を比較しています。より詳しく画質の違いについて解説しているので興味のある方はぜひご覧ください。
以上がPixel 9 Pro とPixel 8 Proのカメラ比較でした。参考になれば幸いです!
Pixelシリーズはカメラ性能に優れたスマホで筆者も気に入っています。わたしがこれまでPixel 8 Proで撮影した写真は以下のウェブサイトで紹介しているので、Pixelのカメラに興味がある方はご覧ください。
作例写真集:Google Pixel 8 Pro – Photo Garage