進学か就職かそれとも……。高校生が考える自分の「将来の進路」
男女とも進学がトップ
進学か、それとも就職か、あるいは家事手伝いに入るか。高校生には自分自身の人生を左右する進路の選択に迫られることになる。彼ら・彼女らはどのような進路選択を頭に思い浮かべているのだろうか。本格的に自身の進路考察が求められる高校2年生における「自分の卒業後の進路希望」の現状を、少年教育振興機構が2014年6月に発表した「青少年の体験活動等に関する実態調査」報告書の結果から確認していく。
次に示すのは高校2年生(調査時期は1月から3月のため、実質的には3年生に進学する直前で、進路設計の真っただ中)における、自分自身の進路としての希望を答えてもらった結果。択一回答なので、最優先・第一希望的な内容となっている。
男女とも最多回答は進学。男子は64.9%、女子は79.2%。次いで就職が男子26.9%、女子14.9%。女子よりも男子の方が就職希望者が多い。
アルバイト、家事手伝い、その他はいずれもごく少数で、それぞれ1%未満。女子の家事手伝いの回答率は0.1%でしかない。また「決めてない」との回答率は男子6.1%、女子4.2%。20人に1人、クラスに1人強は、高校2年の終わりの時点でまだ自分の進路を決めかねている計算になる。
これを経年別に見たのが次のグラフ。
男子は大きな変化はないものの、女子はこの6年で確実に進学組が増えている。また女子は調査時点で「決めていない」の回答率も漸減している。進路に関して固い意志を有する女子が増えてきた、ということか。
塾通いと進学の相関関係
各回答者の塾通いの現状と希望進路の関係は次の通り。あくまでも相関関係で、因果関係を示すものではないが、興味深い結果が出ている。
塾通いをしていない人は進学希望率が低く、就職率が高い。進学するつもりが無いので塾通いをしていないと考えれば道理は通る。その分、就職希望率は25.7%と高い。
また、塾通いをしている人はその頻度による差異はほとんどなく、進学希望者がほとんどで、就職を選択肢に選ぶ人もごく一部。進学という進路を確かなものとするため、塾に通っていると考えれば良いのだろう。
ただし毎日塾通いをしている人に限り、進学希望率がいくぶん低めで、代わりにアルバイトや家事手伝い、「決めてない」などに分散する、稀有な結果が出ている。単なるイレギュラー値かもしれないが、興味深い話ではある。
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