【名古屋市守山区】人生の"抜け感"に気づかせてくれた古着&雑貨屋さん「ひょうたんやまビレッジ」
昨年8月、閑静な住宅街の路地裏に古着&雑貨屋さんがオープンしました。手掛けたのは、今は閉店してしまった高岳のフェアーグラウンドカフェ で一人料理を担当していた堀井さんです。お会いした当初「前はまったく違う仕事をしてまして、自分のお店を持ったのも初めてなんですよ」と話す堀井さんに、「前のお仕事はミュージシャンとか......ですか?」と僕。
「いやいや、音楽は好きですけど、料理人だったんですよ、メインはフレンチ。イタリアンもやってました」と意外なこたえをいただきました。飲食店を離れ、この場所で"古着と雑貨"のお店をオープンしたいきさつを聞いてみました。
大須をほうふつとさせる路地を進んで行くと、赤いベンチとハンガーラックに掛かったたくさんの服が現れました。すぐにお店だとわかり「OPEN」と手書きされた緑色のドアを開けて「こんにちは」
お店に入ると、そこはアンティーク雑貨と古着が所狭しと並ぶレトロな空間でした。
お聞きしたところによると、こちらのお店は堀井さんがまだ料理人として働いていた頃に、大切な人のためにオープンしたそうで、しばらくその方の癒やしの場となっていたそうです。そして、無事その役目を終えた今、堀井さんご自身の手で運営されることになりました。
「仕事でいろいろ大変なことが続くと精神的にきつくなることがありますよね。身近な人がまさにそんな状態の時がありまして。田舎で古民家でも直しながら面白いことができる場があったら癒されるのかなと考えてた時に出会ったのがこちらの物件だったんです。でね、ワクワクしながらペンキを塗ったりいろんなモノをそろえたりして、知り合いにも手伝ってもらいながら少しずつお店をつくっていきました。そんなお店だから、これからもずっと続けていきたいと思っています。何より、いろんな人が来てくれて毎日出会いがあるから楽しいんですよ」と堀井さん。
お店に並んでいる雑貨類は、堀井さんが今まで個人的に集めてきたものが多いんだそうで、なるほど、だから友達の家感強めな空間だったのですね。
「人のぬくもりを感じる古いものが好きで集めていました。作られた国も年代も違うものだけど、こうして置いてみると意外にまとまっているんです。不思議なんですけど」
確かに。なんらかの軸があると、おのずとまとまるというのはわかる気がします。
「こう言ったらなんですけど、みんな心の中で考えていることは案外同じようなことだったりすると思うんですよ。でも、『こんなこと言ったら変に思われるのではないか』とか『迷惑をかけるんじゃないか』とか考えてしまって、結局自分の考えてることと違うことをしてしまっている気がするんです。やさしいんでしょうね、きっと、みんな。でも、自分が好きな人だったら何にせよ迷惑だと思いませんよね、よっぽど嫌なことされない限りは」
そう語る堀井さんの言葉は、あらためてアンティーク雑貨と古着の存在意義を気づかせてくれるものでした。
「自分の中にある軸はぶれていませんけど、試行錯誤はしています。来てくれた人に楽しんでもらえる場をどう作ろうかって。小さな店だからこそできることがあるでしょうから」
堀井さんが目指すのは、「適度な距離感をたもちつつも、心の隙間を埋めてくれる」そんな場をつくることでしょうか。もし、あなたが日常に疲れたと感じることがあるならば、癒やしのヒントを与えてくれるお店になるかもしれません。
店舗情報
店名:ひょうたんやまビレッジ
住所:名古屋市守山区大屋敷3-11-B
営業時間:12:00~20:00
休日:月・火・水曜(不定休あり)
駐車場:なし(すぐ近くにコインパーキングあり)
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