【寝屋川市】本のお薬処方します。香里ヌヴェール学院図書館が全国BOOKセラピーネットワークに参加!
香里ヌヴェール学院中学校・高等学校が、全国BOOKセラピーネットワークに参加し、「BOOKセラピー~本のお薬は、あなたのそばの図書館へ~」を開催しています。
この「BOOKセラピー」の取り組みは、北海道の滝川市立図書館が平成31年に始めた取り組みで、全国各地の公共図書館や学校図書館などが連携し、アイデアや情報を共有することで、業務の省力化を図りながら、より活発で充実した読書活動が推進されることを目的に全国展開で進められているものです。
「BOOKセラピー」とは、本を介して心に潤いを与えるというコンセプトで、「思いっきり笑いたい」「泣いてスッキリしたい」「キュンキュンしたい」「新しいことにチャレンジしたい」「とにかく癒されたい」などお悩みの症状に合わせて袋に包装紙で書名を隠した本を入れて展示し、貸出するという方法です。
最初、滝川市立図書館の発案で実施したところ、利用者に非常に好評だったため、全国に広めようとSNSで参加館を募集、すると全国で多数の公共図書館・学校図書館が参加し、全国の新聞やラジオなどでも取り上げられ、その輪はどんどん拡がりを見せています。
ただ、大阪府ではまだ参加している図書館が香里ヌヴェール学院だけということで、この度、どのような取り組みなのか見せていただきました。
香里ヌヴェール学院中高図書館では、各クラスの図書委員が集まって、それぞれの症状に合っていると思う本を選び、題名は書かずに、症状にチェックを入れ、効能を書き込んだ本のお薬袋に入れる作業を行いました。
香里ヌヴェール学院の図書館には、これまでにも何度かお伺いしましたが、普段から大変機能的に且つわかりやすく整備されていて、司書の林博美先生の本と生徒への深い愛を感じます。
今回は生徒たちがチョイスしたということで「内容に応じた本を選ぶ作業は大変だったのではないですか?」とお訊きしたところ、「それが、図書委員の生徒たちは本が大好きなので、自分が読んだ本の中から、症状に応じた本を直感的に選んで効能の記入をしていましたよ。」とのことでした。
香里ヌヴェール学院では、レイアウトにも工夫が凝らされていて、普段からいろいろな本に出合う機会を設けておられるのですが、今回の「BOOKセラピー」の取り組みを拝見し、より一層いろいろな本と出合う大切さを実感しました。
どんな本が入っているかわからないけれど、自分の気分に応じた本が、入っているなんて、わくわくして楽しいですよね。
このような機会がなければ、手に取ることがなかった本を他の誰かが推薦して選んでくれていて、その本によって癒されるなんて素敵な取り組みですね。
現在「科学道100冊」の展示も行っています。
探究心が高まりますね。
こちらは伊吹有喜作の「犬がいた季節」です。
香里ヌヴェール学院のエレオノーラ先生がイタリア語に翻訳され、イタリアでも出版されているそうです。
寝屋川市出身の芥川賞作家・ピース又吉直樹さんと寝屋川市在住の直木賞作家・門井慶喜さんの話をしましたら、「次は寝屋川市・枚方市に関連のある本の特集を企画します」とおっしゃってくださいました。
「Dr.STONE」や「はたらく細胞」など、知識を拡げる漫画もあります。
こんなに楽しい図書館なら、思わず立ち寄りたくなります。
寝屋川市立中央図書館も新しくなって、市民の癒しの場、サードプレイスとしての役割を果たしています。企画展もいろいろと工夫されていて、利用される頻度がグッと上がりました。このことからも、本が身近に感じられる環境はとても大切だと実感しています。
「BOOKセラピー~本のお薬は、あなたのそばの図書館へ~」も本を身近に感じるための取り組みのひとつです。
大阪府下の公共図書館や、他の学校図書館でもこのような取り組みが広がるといいですね。
【施設情報】
香里ヌヴェール学院中学校・高等学校
〒572-0007 大阪府寝屋川市美井町18−10
電話: 072-831-8452
設立: 1923年
中高一貫教育: 併設型
共学・別学: 男女共学
創立者: メール・マリー・クロチルド・リュチニエ