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大リーグ年間60試合の超短縮シーズンで開幕決定 レイズ筒香ら日本人選手への影響は

上原浩治元メジャーリーガー
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

6月19日に日本プロ野球が開幕し、いよいよ米大リーグも7月下旬に開幕することが決まった。新型コロナウイルスの影響で延期していたシーズンは、当初予定から約4カ月遅れて無観客での開催となる。レギュラーシーズンの試合数は例年より100試合も少ない60試合。例年とはまったく異なるシーズンを戦うことになる。

■スタートダッシュがすべて

 メジャーの先発投手は中4日で回る。単純計算だと1人の先発がシーズンで投げる試合数は12試合。今季に限って言えば、2桁勝利を挙げる投手はほとんどいないのではないだろうか。記録の扱いも難しくなる。打者は、仮に4割打った場合にどう扱うのか。メジャーの長い歴史の中で4割打者は、1941年シーズンにマークしたテッド・ウィリアムズ(レッドソックス)が最後。60試合の消化で偉大な記録と比較になるのか。今季に限っては選手個々の数字は「参考記録」が妥当ではないかと考える。

 チーム成績は、スタートダッシュがすべてだろう。序盤の10~20試合で抜け出したチームはそのまま逃げきれる公算が大きく、戦力が整っているチームでも序盤に出遅れると巻き返しは厳しくなるだろう。なにせ、60試合というのは本当にあっという間に終わってしまう。

 リーグ戦は対戦を繰り返すほど、総合力で上回るチームが有利になる。その意味で、60試合なら下位チームが下克上を狙う絶好の展開でもある。普通に戦えば、戦力が充実したヤンキースが強いだろうが、はたしてどうなるだろうか。

■中継ぎが勝敗を左右

 試合展開においては、セットアッパー、クローザーはフル回転を覚悟しなければならない。私が現役時代に60試合のシーズンを迎えるとなれば、半分の30試合は投げるつもりでスタンバイする。

162試合の通常シーズンとは1勝の重みが違う。7回以降にリードしていた試合は、チームとしては絶対に落とせない。その意味でも、中継ぎが勝敗を左右するシーズンになるだろう。

 延長になれば、走者を二塁に置いてイニングをスタートさせるタイブレーク制導入もあるという。投手からすれば、走者がいる場面での登板はものすごく嫌だ。メジャーでも犠打で走者を進める展開になるだろう。私なら、まずは三塁に進められてもアウトが欲しい。1死三塁からどう抑えるか。欲しいのは三振か内野フライ。外野に飛ばされれば失点のリスクが大きい。バットが届く左右ではなく高低を使って勝負するだろう。

■日本人選手にも影響?

 今季からメジャーに移籍した筒香嘉智選手(レイズ)や秋山翔吾選手(レッズ)、山口俊投手(ブルージェイズ)も、いよいよお披露目となる。早く彼らの活躍を見たい。

 メジャーは長丁場のシーズンの期間、広い全米を移動する。この負担は相当なものだが、今季に限っては試合数が少ないので少しは楽になる。メジャーの環境に、これから慣れていかないといけない彼らには、シーズンが短いメリットはあるかもしれない。ただ、特に打者の場合は初対戦の相手との勝負が続くので、実際に打席で得た情報が少ない中での苦労はあるだろう。

元メジャーリーガー

1975年4月3日生まれ。大阪府出身。98年、ドラフト1位で読売ジャイアンツに入団。1年目に20勝4敗で最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率の投手4冠、新人王と沢村賞も受賞。06年にはWBC日本代表に選ばれ初代王者に貢献。08年にボルチモア・オリオールズでメジャー挑戦。ボストン・レッドソックス時代の13年にはクローザーとしてワールドシリーズ制覇、リーグチャンピオンシップMVP。18年、10年ぶりに日本球界に復帰するも翌19年5月に現役引退。YouTube「上原浩治の雑談魂」https://www.youtube.com/channel/UCGynN2H7DcNjpN7Qng4dZmg

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