【Jr.ウインターカップ】ゴッドドア・吉本拓志のロールモデルは日本一になった先輩の瀬川琉久
Jr.ウインターカップで頂点に立ったRIZINGS徳島は、部活動やBリーグのU15のチームと違う街クラブ。岩朝ローマとともにチームを牽引した平岡泰介(187cm)は、大会に出場していた複数のコーチが中学2年生で注目すべき選手として名前を挙げていた。琉球ゴールデンキングスU15との決勝で21点、LakeForceとの準決勝で4本の3Pショットを含む24点を記録するなど、オールラウンダーとして今後が楽しみな選手と言っていい。
平岡が現時点でU14世代でNo.1かもしれないが、ダイヤの原石という点で気になった選手がいた。ゴッドドアのポイントガード、吉本拓志(中2・180cm)である。ゴッドドアは準々決勝でRIZINGS徳島に61対73で敗れたが、吉本は巧みなボールハンドリングを駆使しながら、ドライブからのキックアウトで6アシストを記録。フィニッシュまで持っていけるスキルの多さと視野の広さは、質を高めることができれば大きな武器になりうる。
RIZINGS徳島戦で吉本が身長で7cm上回る平岡を相手にディフェンスし続けたのは、「いつもライバルみたいな関係でバチバチやってるので、来年は絶対倒します」と試合後に語ったように、同級生に負けたくないという強い気持の表れ。ゴッドドアの本間雄二コーチが「バチバチでおもしろいです」と語ったように、RIZINGS徳島と今後試合をした際にマッチアップすることは、お互いがレベルアップできる点で大きなプラスと見ている。
ゴッドドアは2022年、瀬川琉久を擁してJr.ウインターカップを制覇している。吉本を含めた今回のJr.ウインターカップに出場したメンバーの大半は、瀬川の姿に感銘を受けて入団してきた子たち。「ゲームメイクに関しては当時の瀬川を上回っているかもしれない」と語るくらい、本間コーチは吉本の才能を高く買っている。
チームの先輩である瀬川について吉本は、「練習に来てくれる時はいつもマッチアップするので、めちゃ学びになります」と語る。現時点で4cmの身長差があるものの、今後180cm台後半まで伸びたとしても驚かない。元々右利きなのだが、ジャンプショットとフリースローは左手という珍しいタイプの選手。ドライブからのフィニッシュがレベルアップすれば、瀬川のような試合を支配できるタイプのポイントガードになれる可能性を十分に秘めている。
「シュートもバスもドライブも全部できるように練習して、来年絶対日本一になりたい」
RIZINGS徳島戦後にこう語った吉本は、2024年度U14ナショナル育成センター男子第2回キャンプに平岡とともに招集されている。今後身体とスキルが着実に成長し続けることができれば、アンダーカテゴリーの日本代表に名乗りをあげても不思議でない。