【坂戸市】迅速な出動への工夫や最新設備も。11月1日(金)より業務を開始した新「坂戸消防署東分署」。
坂戸市・鶴ヶ島市を管轄する坂戸・鶴ヶ島消防組合の消防署の1つ、東坂戸2丁目にあった坂戸消防署東分署は、2024年11月1日(金)より中小坂に移転し、消防業務を開始されました。
ぜひこちらでご紹介をと、坂戸消防署東分署のご厚意により、新しくなった東分署の最新の設備を含め、普段はなかなか見られない場所を隅々まで見学させていただきました。今回はその模様をお伝えしたいと思います。
東分署には消防車、救急車、広報車と3台の緊急車両が配備されています。出動時には入り口2箇所に設置された電光掲示板に表示されるとのことで、緊急車両の迅速な出動にご協力をお願い致します。
東分署では、建物の外壁を利用したボルダリングなどの訓練設備をはじめ、災害現場などで活躍するドローンの練習コースや、自家発電機や給油機など、災害時に備えた設備も完備されていました。
もともと東坂戸団地内にあった東分署ですが、2019年の台風19号の被害をきっかけに、こちらに移転されることになったそうです。災害の教訓から、災害時にも迅速に対応することができる消防署へと生まれ変わりました。
建物内の会議室には、災害が起こった際に活用できるよう、市内の地図が設置されていました。こちらの会議室では、東分署ではスペースの関係で行うことができなかった救急救命講習会の実施も予定されているそうです。
会議室や、防災訓練などの打ち合わせなどに利用される入り口からすぐの防火相談室、トイレを含む市民のみなさまも利用する箇所と署員のみなさまが利用する場所を分けて、より利用しやすい造りにされたとのこと。
入り口を入るとすぐに目に入るのは、防火水槽のデザインマンホールの蓋。真ん中のマンホール蓋は、東分署の開署記念に作られたものとのことで、蓄光により周囲が光る仕様になっているそうです。
実際に、外の防火水槽にも使用されていました。夜でもよく目立ちそうですね。
建物内では、どこにいてもすぐに出動できるよう、動線の工夫がされているそうです。混雑を緩和し、迅速に出動の準備に取り掛かることができるよう、階段は2箇所に設置されました。
出動の支度をする部屋は1階の中央にあり、扉を開けるとすぐに消防車や救急車のある車庫につづいていました。モニターで出動する場所の確認をしながら支度をし、迅速な出動ができるような工夫がこちらにもありました。指令から5分以内で出動できるように日々訓練をされているそうです。
ロッカーは2名分の荷物を収納できる回転式になっていて、当直の隊員さんだけの荷物がすっきりと並んでいるため、こちらにも迅速な出動への工夫が感じられました。
消防士さんや救急隊員さん達は24時間の2交代で勤務されているとのことで、個室の仮眠室やお風呂なども設置されています。女性専用のスペースもありました。食堂で食事を作って、みなさんで召し上がっているそうです。チームワークがこのような場所でも磨かれ、料理の腕もどんどん磨かれていくそうですよ。
トレーニングルームもあり、ここで筋トレやロープの結び方の練習をするのだそうです。
出動回数の多い救急車ですが、必要物品を補充しやすく、車庫のすぐ隣に位置することで、衛生面においても救急隊員のみなさんの安全面に考慮された造りになっています。
一方、消防隊員の方々は、消火活動の際に有毒な物質を浴びることも多いそうで、有毒物質を取り除くことができるオゾン水を作る機械を導入し、こちらで防火服などを洗い、奥の洗濯機では防水加工までを行うことができる設備が新たに導入されたとのこと。坂戸・鶴ヶ島消防組合では初の試みだそうです。
指令室を兼ねた、署員のみなさんが業務を行う部屋では、フリーアドレスのシステムを導入し、どの席でも仕事を行うことができるようにしているそうです。集中力を高める意図があるとのことで、デスクは壁に向かって並んでいました。
たくさんの新しい設備と署員のみなさんが働きやすい工夫が詰め込まれている新しい東分署。取材ということを半分忘れ、童心に帰ったかのように興味津々で見学させていただいた筆者ですが、みなさんの街を守る消防署の中がどんなふうになっているのか気になるみなさまに朗報です。
坂戸・鶴ヶ島消防組合の4つの消防署(坂戸消防署、東分署、西分署、鶴ヶ島消防署)では、11月9日の「119番の日」に合わせて2024年11月3日(日)〜9日(土)9:00〜16:00まで、一般公開を行っています。普段はなかなか見ることが消防署を見学したり、消防隊員や救急隊員のみなさんに直接お話を伺える貴重な機会です。ぜひ見学に行かれてみてはいかがでしょうか?
【施設情報】
坂戸・鶴ヶ島消防組合 坂戸消防署東分署
住所:埼玉県坂戸市中小坂469-3