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【速報】配車アプリDiDiに1600億円の巨額罰金、データ安全法に違反――中国

高口康太ジャーナリスト、翻訳家
写真は北京市のDiDi本部。(写真:ロイター/アフロ)

中国配車アプリ大手「DiDi」に対する中国サイバースペース管理局(CAC)による調査が終了し、処罰が確定しました。

「サイバーセキュリティ法」「データ安全法」「個人情報保護法」に関する法律・規則違反は明確であり、その性質はきわめて劣悪であるとして、80億2600万元(約1600億円)の罰金が科されます。また程維董事長・CEO、柳青総裁に各100万元(約2000万円)の罰金が科されました。

詳細は明かされていませんが、米国上場にあたって監査会社経由で経営資料が米証券当局の手に渡ったことが、上述の違反にみなされたもようです。

2021年4月にアリババに独占禁止法違反で182億元(約3640億円)の行政制裁金が科されています。それには及ばないとはいえ、1600億円もの罰金はDiDiにとっては決して小さくない金額です。

ただし、2021年7月からの調査期間中、ずっと新規ユーザーの登録が禁止されてきたばかりか、企業お取り潰しの噂まででるなど不安定な状況だったことを考えると、今回の捜査終了でようやく落ち着いた再スタートを切れるという意味ではポジティブではあります。

中国配車アプリ市場で一強だったDiDiですが、1年に及ぶ調査期間の間にライバル企業が攻勢をかけており、シェアは低下気味と伝えられます。再スタートでまき直せるのか。大株主である、日本のソフトバンクにとっても重要な課題です。

*人民元レートは2022年7月現在で換算。

ジャーナリスト、翻訳家

ジャーナリスト、翻訳家。 1976年生まれ。二度の中国留学を経て、中国を専門とするジャーナリストに。中国の経済、企業、社会、そして在日中国人社会など幅広く取材し、『ニューズウィーク日本版』『週刊東洋経済』『Wedge』など各誌に寄稿している。著書に『なぜ、習近平は激怒したのか――人気漫画家が亡命した理由』(祥伝社)、『現代中国経営者列伝』(星海社新書)。

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