なぜか『片付かない人』の間違いだらけの習慣
片付け・収納の専門家、鈴木久美子です。
私は、日々片付けや収納に悩まれている皆さんのご自宅にご訪問して、その問題を解決しています。今までに550回以上は訪問しているのですが、それぞれの暮らし、住まいの広さや形状、家族構成、いろいろ違いはあれど、片づかない人に共通する習慣があります。
収納技や収納グッズを活用するのではなく、少しの考え方と習慣を変えることができたら、暮らしは自然と整ってきます。
職業柄、収納技や収納グッズを紹介することが多いのですが、今回は、『片付かない』とお悩みの方に、気が付いてほしい『間違いだらけの習慣』をご紹介します。
間違い習慣1:とりあえず使う物は出しておく
片付かない家の特徴の1つは、収納はたくさんあっても、中に入っている物は、使わない物だらけ。そして、何が入っているかも把握できていないんです。
また、収納の前にもすでに物が置かれいて、収納はすぐに開けれない事も多いです。
そうなると、収納は使いにくいからと、日々使う物はどこかに出したままにしています。
「出したまま」というのも、きちんと必要なモノだけを定位置を決められていたりすれば、それはそれで大丈夫ですが、特に場所を決めず、何でもとりあえず出したまま。
結局、とりあえず出しっぱなしにしていると、どこに何があるかわからないので、家の中が散らかった状態になってしまいます。
例えば、「ウォークインクローゼットが使いにくいんです…」というお悩みで、拝見すると、ウォークインクローゼットの通路に脱ぎすてられた衣類や、タグ付きの新品衣類、バッグが山積みに。
使いにくい原因は通路が通れないだけ。クローゼット自体に原因はないんです。
クローゼットは使いにくいからと、数年間使っていない服が眠っていて、普段着る服は、ソファーの上や、カーテンレールにかけたまま。
そんな状況だと部屋はいつまで経ってもスッキリしません。
収納内は詰め込まず、適切に使うと使いにくくはありません。
『収納は、必要な使う物をしまいましょう!』
間違い習慣2:とりあえず買った物が多い
これは思い当たる方も多いかと思います。
必要なモノが増えてしまうのは仕方がないのですが、片付かない人の家には使っていない物がたくさん出てきます。中には新品のまま開封していないモノもたくさんあります。
「買ったことも忘れていた」、「安かったから買った」、「何かに使えそうだから買った」
今すぐ必要だったわけではなく、とりあえず買ったモノです。
とりあえず買ったものには、愛着がなく、
とりあえず買って、とりあえず放置。そして忘れる。
また、とりあえず買う。
この悪循環がスタートします。
もちろん、安い物がダメなわけじゃないです!
『安くても高くても、自分が気に入ったモノ、必要なモノを買いましょう!』
間違い習慣3:スペースが空いているともったいないと感じる
整理収納サポートにご訪問し、収納の改善をしていくと収納内に空きスペースができることが多いです。
その時に、皆さん、口をそろえたようにおっしゃる事は、
「スペースがもったいなくないですか。」という言葉です。
暮らしていると、一度決めた定位置以外に、モノが一時的に増えたりすることが多いです。
スペースの空きは、そういった、一時的に増えるモノを受け入れることも可能ですし、何しろ少し空きがないとモノの出し入れがしにくくなります。
空きスペースを見つけては、何かを入れたい!と感じる人は要注意です。
詰め込むと、その収納内が使いにくくなり、先ほど紹介した『間違い習慣1:とりあえず出しておく』の原因になります。
もったいないのはスペースの余白ではなく、使わないモノを買ったり、詰め込んだり、暮らしがゴチャゴチャになることがもったいないんです。
スペースの空きは何ももったいなくない!
『暮らしに余白ができれば、心にも余白ができます!』
間違い習慣4:何かに使えるとゴミをため込む
最後は、とても大切なこと。
ゴミなんてため込んでいない、と思うかもしれませんが、私が整理収納サポートにご訪問して、最初に整理していくのは、ゴミらしいモノたちです。
整理の最初に、思い入れがあるモノ(例:衣類、本、思い出など)をスタートすると、時間がかかったのに、全然手放すことができなかった、という事になりかねません。
以前に、スッキリした暮らしのための『即捨てリスト』という記事の中でもお伝えしましたが、段ボールとか、空箱とか、期限切れのモノ、などいろいろありませんか?
片付かず、いつもゴチャゴチャしている人の家には、そのようなモノが大量にあります。パッとゴミとして処分すれば済むものですが、何かに使える、と溜め込みだすと、
そのモノを取っておく収納スペースが大量に必要です。
買い物をしたときの紙袋が増えすぎて困る、という人も多いですが、紙袋どころではありません。
例えば、牛乳パックをため込む人、お菓子の空き箱、空き缶をため込む人。
ジャムの空き瓶をため込む人。包装紙やリボンをため込む人。
さらに、パンの袋についている水色の留め具をためる人。
着古した衣類やタオルを掃除に使おうとして、ゴミ袋10袋分ぐらいある人。
ちなみに、全てお客様のご自宅で、大量に出てきた事例です。
ジャムの空き瓶を大量にとっていた方は、引き出し収納ケースをどんどん買い足して、使いもしない空き瓶を永遠に残していました。
何かに使えるとため始めたそのモノは、すでに何にも使えず数年。
ただ、なんとなくとっておくのが習慣になっていませんか?
何かに使えるなら良いですが、使えないなら、
『全部ゴミで大丈夫です。』
さいごに
最近ではゴミを捨てにくい状況になっています。分別は細かくて面倒だし、ゴミをどんどん出すのは確かに環境にもよくないです。
片付けの専門家として、ゴミをどんどん捨てればいい!と言っている訳ではありません。
ゴミを出すのがもったいないなら、できるだけゴミにならないモノを買う。
必要ないモノを買わない、過剰なパッケージのモノは買わない、など考えていく必要もあるかと思います。
モノを手にするのは簡単にですが、手放すのが難しい。そのことを念頭に入れて暮らしてみて下さいね。
今回ご紹介した、間違い習慣の考え方を少し変えることができると、自然に片付く家に近づいてくると思います。
筆者:鈴木久美子(片付け・収納専門家)
整理収納アドバイザー1級、クリンネスト1級、住宅収納スペシャリスト。
片付けや収納を中心に暮らしに役立つ情報を発信中。