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アリババ、テンセントが独禁法違反 中国のプラットフォーマー規制が本格化

高口康太ジャーナリスト、翻訳家
(写真:ロイター/アフロ)

中国当局は12月14日、中国EC(電子商取引)大手アリババグループ、メッセージアプリ大手テンセントの系列会社、ネット小説配信サイトの閲文集団、物流大手SFエクスプレスの系列会社であるスマート宅配ロッカー運営企業・豊巣ネットワークの3社に対して、独占禁止法違反での行政処罰を発表した。

問題視されたのは、

・2016年のアリババグループによる小売企業「銀泰百貨」の買収

・2020年の閲文集団による新麗伝媒の買収。

・2020年の豊巣ネットワークによる郵智递科技の買収

の3件。

いずれも業界内で大きなシェアを持つ企業同士の買収だったため、事前申請が必要だったと指摘した。ただし、重大な過失ではないという判断からいずれも罰金50万元(約800万円)という軽微な処罰にとどまった。もっともこの処罰はいわば見せしめであり、今後の規制強化の号砲とみるべきだろう。

最近、中国政府はITプラットフォーマーに対する強化しており、優越的地位の濫用を禁止する「反独占ガイドライン」、IT企業によるデータ取得を規制する「個人情報保護法」、さらにスマートフォンアプリによる情報収集の規制などの草案を矢継ぎ早に発表している。

日米欧の先進国ではGAFAに対するプラットフォーマー規制が強めているが、中国当局もこの世界的なトレンドに追随した格好だ。

世界的に見ても、中国の巨大IT企業による業界支配、データ支配は突出しているが、2021年は規制強化によって、中国IT業界には強い嵐が吹くことになりそうだ。

ジャーナリスト、翻訳家

ジャーナリスト、翻訳家。 1976年生まれ。二度の中国留学を経て、中国を専門とするジャーナリストに。中国の経済、企業、社会、そして在日中国人社会など幅広く取材し、『ニューズウィーク日本版』『週刊東洋経済』『Wedge』など各誌に寄稿している。著書に『なぜ、習近平は激怒したのか――人気漫画家が亡命した理由』(祥伝社)、『現代中国経営者列伝』(星海社新書)。

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