【北九州市八幡東区】縁起物のひょうたん最中で迎春!77年以上伝統の味を守り続ける「和菓子のみずま」
「和菓子のみずま」は縁起物のひょうたんを象った「ひょうたん最中」で有名な和菓子の老舗です。
店内のショーケースにはひょうたん最中の他にも栗饅頭やブランデーケーキなどバラエティに富んだ商品が並んでいました。
女将さんの話では商品数は全盛期に比べて少なくなっているそうです。
お店は2代目の女将さんと息子さんの2人で切り盛りしていています。店先の接客は女将さんが一手に引き受け、息子さんは外販やお菓子作りが担当とのこと。
お二人のほのぼのとしたやり取りが微笑ましく、その会話からは「常にお客様のことを考えている」という想いが伝わります。
お菓子と着物とお茶は日本古来の文化
お店は今年創業78年目に入りました。戦後まもなく鞍手で商売を始めて、その後北九州市へ移転。八幡中央町での営業を経て今の場所に店を構えました。
店名の「みずま」は店主の名字「水摩(みずま)」をそのまま使っています。長年親しまれてきた「みずまの和菓子」。お菓子と着物とお茶はまさに日本古来の文化ですね。
新しい年の幕開けにひょうたん最中はいかが?
ひょうたん最中はこのお店の主力商品。毎朝、最中種に餡を詰めて詰めたてを提供しています。最中の皮の部分(最中種)は厚めで外型と内型の層が特徴です。
構造上、皮に水分が吸収されにくいので、食べたときに上あごに皮が付くことはありません。
表面に彫り込まれた模様は、東京の「千成ひょうたん最中」のデザインをいただいたもので、地元の「八幡」も文字を入れたそうです。
100%お餅でできている皮の部分は、薄茶色で焼いたお餅の香ばしさをまとっています。餡は粒餡に伊予柑、抹茶餡の三種類。
粒餡や抹茶餡は、ほど良い甘さと舌触りが何ともいえません。ジャムを使った伊予柑も最高。どれも上品で皮と餡の相性が絶妙です。
今が旬!老若男女に愛される芋ようかんはひと味違う
芋ようかんはきれいな黄色で手に持つと重量感があります。一般的な芋ようかんは蒸芋(むしいも)の餡と寒天を使っていますが、ここではお芋と砂糖と塩だけです。
女将さんのアイデアで「焼き芋」を使っているのが独特で国内でも類を見ません。食べてみると、焼き芋の素朴な風味と上品な甘さに口いっぱいに広がるコク。
芋の繊維がそのままいきているので舌触りも滑らかです。
作り方も手が込んでいて、専用の芋を大きな窯で1時間半から2時間焼いた後に、皮をむいて砂糖と練り込み最後に塩で味を調えるそうです。
老若男女に好まれる芋ようかん。お茶のお供にもよく合います。
お正月にぴったりのひょうたん汁粉!香ばしい皮が美味しい
ひょうたん汁粉は最中種で作られた大きめのひょうたんのフォルムの中に粉の餡がぎっしり詰まっています。
最中種は100%お餅でできているので塩梅よく溶けて汁粉に入れるお餅代わりです。最中種が飛び散るので袋から開ける前に少し潰しておきましょう。
熱湯をかけると最中種が湯と混ざりあってトロトロの餅状に。ほど良く甘い餡の粉末もお湯に溶けて、すっきりした甘さの汁粉に。
トロけた最中種の香ばしさもひきたつ美味しさです。
塩まんは隠れた銘品!驚きの美味しさ
塩まんは一口サイズでめちゃくちゃ美味しい!中央に栗餡が入っていてその周りを粒あんで覆っています。
最表面には寒梅粉という乾燥した餅をひいた粉末がまぶしてあって3層構造です。餡玉を波の形が特徴の木型で打って作ります。
「みずま」のお菓子の中でも最も手のかかるとのこと。このタイプの塩まんは珍しく、日本では福島県のお菓子屋三万石さんと、このお店の2箇所しかありません。
お正月は縁起物のひょうたん最中とひょうたん汁粉でくつろぐのも良いですね。春先には大評判の桜餅も販売されます。今から期待して待ちましょう。
和菓子のみずま
住所:北九州市八幡東区枝光本町9−18