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アギーレ監督の八百長騒動をセルジオ越後が一喝「黒だった場合に責任を取るべき人たちがジタバタしている」

浅野祐介ウォーカープラス編集長

スペインリーグのレアル・サラゴサ監督時代の八百長疑惑により、検察当局に告発されているサッカー日本代表のハビエル・アギーレ監督。日本サッカー協会は今回の疑惑について、Jリーグの各クラブと海外クラブ所属選手に現状説明を行い、アジアカップに向けた国内合宿の前に、アギーレ監督自らが説明する場を設ける方針だという。

今回の騒動について、サッカー界の“ご意見番”セルジオ越後氏に話を聞いた。

日本代表がアギーレ監督の八百長騒動で揺れているね。15日にはアギーレ監督を含む40人が告発され、裁判所が受理するかどうかという状況になった。18日にはようやく原専務理事が出てきて会見を開き、曰く「アジアカップはアギーレでいく」「まだ告発されただけ。受理されるかもわからない」「引き続き情報を集める」ということだった。

この問題に対する協会の対応は後手後手になっているように見える。判断力のない大仁会長は2人の名誉会長に泣きつき、アギーレを独断で連れてきた原専務理事が出てくるのも遅かった。黒だった場合に責任を取るべき人たちが、それを恐れてジタバタしている様が浮かんでしまう。

今後、この件は裁判に突入することになるだろう。しかしそこから長い年月をかけて行われる裁判で勝つか負けるかは、日本サッカーにとって関係のないことだ。口座の金の出入りがあったかどうか。その証拠が出ている時点で、解任すべき状況に至っているのではないかな。途中解任となった場合の違約金をどうすべきか、そういうところでバタついているのかもしれないね。けれどこの問題を解決できない人たちが、後任をしっかり決められるかどうかも甚だ疑問だ。本人は否定しているけど、これでまた「岡田しかいない」となったら笑っちゃうね。

とにもかくにも残念なのは、この一連の騒動がワイドショーの視聴率稼ぎの一端になっていることだ。来シーズンから2ステージ制になるJリーグも、お茶の間ではほとんど話題に上らない。ブラジルW杯で輝くはずだった日本サッカーの2014年は、なんとも寂しい形で師走を迎えている。

あくまで個人的な見解としては、八百長があったとされる一戦(2010−11シーズンのリーガ・エスパニョーラ最終節、降格圏に位置する状況で臨んだレアル・サラゴサがアウェーでのレバンテ戦に2−1の勝利を収め、残留を達成。この一戦でサラゴサ側が八百長行為を働いた疑いがもたれている)を見ても、「八百長があった」という印象は正直、持てなかった。

とはいえ、アギーレ監督にはファンやサポーター、そして選手たちに、“真実”をしっかりと説明してほしい。アジアカップで幕を開ける2015年の日本サッカー。その歩みがどうなるか、ひとつのカギをアギーレ監督が握っている。

セルジオ越後のサッカー日本代表論まとめ

ウォーカープラス編集長

編集者/KKベストセラーズで『Street JACK』などファッション誌の編集者として活動し、その後、株式会社フロムワンで雑誌『ワールドサッカーキング』、Webメディア『サッカーキング』 編集長を務めた。現在は株式会社KADOKAWAで『ウォーカープラス』編集長を担当。2022年3月にスタートした無料のプレスリリース配信サービス「PressWalker」では、メディアの観点から全プレスリリースに目を通し、編集記事化の監修も担当。

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