最後の1滴まで活用する|手作りハーブオイルの活用法 11選
こんにちは。
「アメリカ仕込みのシンプルなハーブ暮らし」を発信しているハーバリストの平野です。
近ごろはハーブクラフトを作る方も増えてきましたね。
「自家製のハーブオイルを作ってみた!」という方も多いのではないでしょうか。
しかしながら、
「ハーブオイルの作り方」は色々なところで紹介されているのに、なぜか「完成したハーブオイルをどうしたらいいか」という点についてはあまり語られていないように思います。
6年前私が初めてハーブオイルを作った時には、オイルは無事完成したものの、使い方がわからずに見事に余らせてしまいました。
最後はカビが生えて泣く泣く処分した覚えがあります。
私と同じ経験をしている方は意外に多いのではと思ったので、今回は「自家製のハーブオイルを最後の一滴まで活用するための11の方法」を記事にまとめました。
気になる使い方からどんどん実践してみてくださいね。
- 【ハーブオイルって何?】ハーブをオイルに2週間以上浸けた後に濾した液体のこと。ハーブの持つ薬効によってオイルの効能や香りが変化します。
ハーブオイルの使い方<スキンケア編>
1.肌の保湿に使う
ハーブオイルの一番のおすすめの使い方は「普段のお肌のお手入れに使う」という方法です。
私はここ最近、市販のスキンケア商品の毒性が気になっています。
- 2021年に米ノートルダム大学で発表された研究報告によると、 アメリカとカナダで発売されている約230の化粧品のうち、半数以上が毒性の化学物質を含んでいるとされています。
人間の体で一番大きな臓器は「皮膚」です。
日々、いろいろなものを「排出」しては「吸収」しています。
皮膚を通して取り込まれた化粧品の毒性の成分は、体の中にどんどん蓄積されていきます。
簡単には排出できません。
一方、ハーブオイルに使われているのは「オイル」と「植物」の2つだけです。
このシンプルさが、安心して使うことのできる大きな理由となっています。
我が家では、私のスキンケアだけではなく、乾燥肌の子供の保湿剤としても活躍しています。
2. 軟膏としても役立つ
カレンデュラやラベンダー、プランテインの葉などのハーブで作るハーブオイルは、軟膏として使うこともできます 。
ひっかき傷や肌の炎症、指を軽く切ってしまったときなどにハーブオイルを塗ると、傷口の感染を防いだり、組織を刺激することで傷が治ろうとする体の働きをサポートしたりすることができます。(※1)
軟膏として使うには「ビーズワックス」を使ってオイルを硬くすると使いやすくなりますよ。
3.ボディマッサージに使う
ハーブオイルをすぐに消費したいのであれば、体のマッサージに使うのがおすすめです。
ラベンダーやローズマリーなどの香りの良いハーブを使ったオイルなら、リラックス効果も高まります。
体を念入りにマッサージすることは、関節痛や痛みを取り除くためだけではなく、体の緊張をほぐして心を整えるのにも役立ちます。(※2)
寝不足気味のときには、足を念入りにマッサージすると神経をほぐすのに役立ちます。
美肌目的なら首を念入りにマッサージしてみてください。
顔への血流が良くなることで肌のくすみの解消にも役立ちます。
4.髪の保湿
空気が乾燥して髪がパサつくときには、ハーブオイルを使って髪の保湿をしてみましょう。
市販のヘアオイルを使っていた頃を思うと、我が家ではかなりのコスト削減になっています。
ただし髪の根元にオイルをつけてしまうと、髪を洗ってない人のように見えたりもするので、必ず毛先にだけつけるようにしてくださいね。
5.頭皮のマッサージ
時間に余裕のあるときには、ハーブオイルで頭皮をマッサージするのもおすすめです。
ハーブオイルを使うと、マッサージ時の頭皮への摩擦を防ぎ、頭皮の汚れを浮かせてくれます。
マッサージ後にシャンプーをすれば、シャンプーで油分を取られすぎてフケが出るのを防ぐことができます。
ただし、オイルをたっぷり使いすぎるとシャンプー後も髪がベタベタしてしまうので、使う量にはご注意くださいね。
ハーブオイルの使い方<お料理編>
1.ハーブ焼き
ハーブオイルを料理に使うなら、一番シンプルなのが「普段の油の代わりに使う」 という方法です。
2週間以上漬け込んだハーブオイルには、ハーブの風味が熟成されて旨味がたっぷり。
ハーブオイルを使って野菜やお魚を焼くというシンプルな調理法でも、いつもとは違った風味を楽しむことができます。
我が家ではよく、ブロッコリーやパプリカ、アスパラガス、白身魚やサーモン、ししゃもなどをハーブオイルで焼きます。
味付けは塩コショウのみ。
「ハーブオイルと塩こしょう」だけとは思えないようなコクのある風味に仕上がるので、お料理の手間が省けて助かっています。
2.サラダドレッシングに使う
我が家では市販のドレッシングを買ってもすぐになくなってしまうので、ハーブオイルを使って手作りドレッシングを作っています。
以前はハーブを刻んでドレッシングの中に入れていたのですが、これが結構めんどう。
ハーブオイルを使えば「ハーブいらず」だということに気付いてからは、ずっとハーブオイルと酢・塩こしょうだけでドレッシングを作っています。
我が家のレシピをご紹介しますので、ぜひ作ってみてくださいね。
<ハーブドレッシングの作り方>
- オリーブオイル … 大さじ1
- 酢 … 大さじ1/2
- 塩こしょう … 少々
- すべての材料を混ぜたらできあがり。
3.パスタ料理の香りづけに使う
パスタを作るときには、ハーブの香りが加わるだけでだいぶ美味しさに差ができますよね。
とはいえ、いつも家にハーブがあるとは限りません。
そんな時にはぜひハーブオイルを使ってみてください。
使うときのコツは、 パスタとソースを和えるタイミングでオイルをひと回しして、手早く混ぜることです。
ハーブオイルを加熱しすぎるとハーブの風味が飛んでしまうのでご注意くださいね。
4.スープにひと回しする
油分は味を良くするために使われたり、マスキング(不快な味を隠す)ために使われたりしています。
ハーブオイルももちろん、味を調えるためやマスキングの目的で使うことができます。
一番手軽なのはトマトスープやコンソメスープの仕上げにハーブオイルを少量回しかけるという方法です。
スープは具材にお肉が入っていないと物足りない味になりがちですが、オイルの油分が加わることによってコクのある味に変化します。
5. パンのディップオイルに使う
週末の時間のある時には、ちょっとおしゃれな「パンのディップオイル」を楽しんでみましょう。
レシピはいたってシンプル。
以下の材料を混ぜたものに、カリカリに焼いたパンをつけていただきます。
にんにくの匂いがダイレクトに来るので、一度炒めてから混ぜることをおすすめします。
<パンのディップオイルのレシピ>
- ハーブオイル … 50ml
- にんにくのみじん切り … 小さじ1
- 粉チーズ … 小さじ2
- 塩こしょう … 適量
- フライパンで少量のハーブオイルを熱し、にんにくのみじん切りをきつね色になるまで加熱します。
- 小さめのボウルに粉チーズ、塩こしょう2つまみ程度、残りのハーブオイル全量を加えてよく混ぜたらできあがり。
6.野菜のオーブン焼きに使う
ハーブオイルをシンプルに味わいたい方におすすめなのは「野菜のオーブン焼き」です。
私はずっとフライパンしか使っていなかったのですが、オーブンで野菜を焼くと美味しいという話を聞き、重い腰を上げて試してみました。
実際にやってみたところ、予想外の美味しさでハマってしまいました。
ハーブオイルがあればハーブを用意する必要がないので、簡単にできあがります。
野菜の美味しさを味わえる一品ですので、もしご自宅にオーブンがある方はぜひお試しくださいね。
<ハーブオイルで作る野菜のオーブン焼きのレシピ>
- じゃがいもや玉ねぎ、にんじんなどの余り野菜を一口大に切ってオーブン皿に並べます。
- 上からハーブオイルを回しかけ、続いて塩こしょうを振りかけたら230で15分ほど焼いてできあがり。
ハーブオイルは最後の1滴まで使いきる!
何か気になる使い方は見つかりましたでしょうか。
もしご自宅に余っているハーブオイルがあれば、ぜひ今日から活用してみてくださいね。
この記事から「あなたの定番の使い方」が見つかればとても嬉しく思います。
ハーブオイルの作り方はこちら
私が運営しているハーブサイトでは、ハーブオイルの作り方をご紹介しています。
まだハーブオイルを作っていないという方は、ぜひ挑戦してみてくださいね。
→pich of HERBのハーブオイルのまとめ記事へ移動します
- 参考文献
※1 『The Herbal Apothecary: 100 Medicinal Herbs and How to Use Them』by Pursell, JJ
※2 『Rosemary Gladstar Herbal Recipes for Vibrant Health』by Rosemary Gladstar