【日南市】後世に残したい日本の着物文化。「おもろい」ご夫婦が営む呉服・雑貨店をご紹介
今回は、飫肥城下町の一角にある『岡本商店』さんをご紹介します。
時は大正時代。京都で呉服商をしていた岡本商店の先代は、船で油津に行き来し、着物の商売を行っていました。当時の日南は林業で栄えており、多くの富豪が着物の買付けを行っていたそうです。
戦後、先代は縁あって九州の小京都と呼ばれる飫肥に移住し、呉服店をオープンさせます。当時の写真を提供していただきました。
着物を着た人で飫肥の街は活気に満ちていました。
しかし、時代の流れとともに、人々が着物を着る機会がめっきりと減り、ピーク時は1兆8千億円ほどあった着物業界の売上も現在は3千億円を下回るまでに減少。
「以前は飫肥だけでもたくさんの着物店がありましたが今では、ほとんどなくなってしまいました。着物などを扱う呉服店は厳しくなってきた」と話す店主。
現在の着物は、手染めではなくプリント印刷が主流になっており「輝かしさはあるけど重みはない」と寂しそうに話をしてくれた店主の表情が印象的でした。
「皆さんのタンスの中に着物は眠っていませんか?着物は色を替えられるってご存知でしたか?」
岡本商店さんでは、SDGsの取り組みとして着物の染め直しを行っています。
こちらが実際に色を染め直した着物。
色を染め直すことで全く違う雰囲気の着物に。着物に命が吹き込まれているように感じます。
その時代や年齢に合った色に染めなおせるので、タンスに眠っている着物がある方はリメイクしてみませんか?
以前は、着物をほどく→洗う→染める→仕立てる手順が必要でしたが、現在は仕立てた状態で染めることができるそうです。短期間で仕上がり、経済的なのでぜひご相談くださいとのこと。
着物の販売だけでなく、アフターケアにも力を入れている地域密着の信頼できるお店です。
岡本商店さんでは、呉服店としての敷居を下げて多くの方に足を運んでほしい。との想いで看板から呉服店の名前を外し、お求めやすい価格の雑貨や衣類も販売しています。
奥様のハンドメイドバッグなども販売されています。
また、10年ほど前からあゆみちゃんマップにも登録をしている加盟店です。
あゆみちゃんマップは、1,000円で引換券5枚を購入でき、飫肥城下町内の登録店舗で好きな商品と交換ができるお得な取り組みです。(2023年10月現在)
岡本商店さんでは、着物のレンタルも行っています。着物をレンタルして歴史を感じる飫肥の街を探索するのもおすすめのプラン。
「ぜひ気軽に立ち寄ってください」そう話すご夫婦は、長年関西に住んでいたご主人と生粋の関西人の奥様。
ご夫婦の何気ない会話そのものが漫才を見ているようで笑いっぱなしの取材でした。ご夫婦の軽妙なトークと素敵な人柄も岡本商店さんの魅力です。
後世に残したい着物文化と呉服店。「おもろくて温かい」ご夫婦が営む岡本商店さんに、ぜひ足を運んでみてください。