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つい買いすぎてしまう食品ストックに…キッチン・パントリのスマートな片付け方

広い家ではないのに、買い物に行くたび大量に買い込んでしまう。その結果、モノがどんどん増えていき置き場がない。でも、何かあった時のことを思うと、家族のために多めに買っておきたい……。

ストック品(在庫品)の管理に悩んだとき、役立つ指標が「在庫回転期間 」です。

あなたの家に、歯ブラシのストックはどの程度ありますか? 在庫回転期間の計算方法は、「今持っている在庫品の量」を「1ヶ月で使用する量」で割り算します。

例えば、1本の歯ブラシを使い始めて1ヶ月で交換する場合。ストックを5本持っていれば、「在庫量5本÷月の使用量1本=在庫回転期間5ヶ月間」と計算できます。でも、歯ブラシがそんなに必要でしょうか。

防災面での理想の回転期間は「2週間」で、2週間生き延びられる食品・衛生用品のストックがあれば安心とされています。「防災 備蓄」で検索すると、行政のHPが出てきます。「東京備蓄ナビ」 では、家族構成や住まいのタイプ・ペットの有無などの情報を入力すると、自分の家庭にあった備蓄量を把握できます。

備蓄リストを見ると、自宅に足りないモノがあったり、逆に持ちすぎているモノがあったりなど、在庫にムラがあることがわかるのではないでしょうか。2週間分の水を備蓄するだけでも、相当なスペースを用意する必要があります。1ヶ月分を超えた在庫は明らかに過剰で、本当に必要なアイテムの保管を妨げます。

一方で、「安売りセールの時に買い置きしておけば、備蓄にも節約にもなるし一石二鳥」と捉える方も多くいます。しかしそれだと、例えば「ボディーソープは10ヶ月分買いだめしているが、歯磨き粉は買い置きがない」といった買いムラが生じ、床スペースが逼迫するうえに、肝心な時に必要なモノが取り出せないことにもなりかねません。

総務省統計局調査 によると、東京都内の賃貸住宅に在住者のうち4分の3が、豊かな住生活の実現の前提として国土交通省が定めた「誘導居住面積水準」よりも狭い住宅に住んでいます。

都市部ほど住居面積が狭くなる一方で、スーパーやドラッグストア等店舗へのアクセス性が高くなります。「家は広いが、買い物まで車で何十分もかかる」という環境で暮らしていない限り、安売り品を買い込んで「節約」するより、「自宅の代わりに周辺店舗で在庫を保管してもらう」ほうがよっぽど経済的です。

家庭内の在庫回転期間が1ヶ月を上回るモノは、新規購入をストップし、在庫を使って2週間分まで減らしましょう。また、通販サイトの定期便を利用すると、店舗での無計画な買い溜めを防ぐことができます。リストで管理するのは手がかかるので、在庫点検時に「ストック箱」の写真を撮っておくと、出先で在庫量を振り返ることができて便利です。

【米田まりな】1991年生まれ。整理収納アドバイザー1級。モノを愛してやまない人に向けた「捨てない片づけ」を考案。著書に「あの人に、イライラするのは部屋のせい」「集中できないのは部屋のせい」(PHP研究所)「捨てない片づけ」(ディスカバー21)。日経新聞NIKKEIプラスワンにて連載中。東京大学経済学部を2014年に卒業後、総合商社でベンチャー投資を担当し、現在は不動産ディベロッパーに勤務。平日は会社員として働きながら、副業で片付けの普及活動をしている。

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