日本では自分の歳で結婚している人は何%ぐらいなのだろうか(2021年公開版)
2021年11月に発表された5年に一度の国勢調査では、多様な切り口による日本の現状を推し量る調査結果が盛り込まれている。その値を基に、年齢階層別における未婚・既婚率の状況を確認していく。
次に示すのは直近分となる2020年における、男女別・年齢階層別の配偶関係。配偶関係の具体的内容だが、「未婚」は結婚経験が無い、「有配偶者」は現在結婚して異性の配偶者がいる、「死別」は結婚して相手がいたがその相手が亡くなって現在は独り身、「離別」は結婚していたが相手と離婚してそのままの状態(再婚していない、独身。連れ子が居るか否かは問われていない)を意味する。なお「不詳」は除外して割合を再計算している。
20代後半から「有配偶者」の割合が増えていくのは男女とも変わらないが、男性の方がやや伸びが鈍い。この年齢層では男性の方が「まだ結婚していない人の割合が大きい」ことになる。男女の「有配偶者」比率は60歳後半から逆転し男性の方が多くなるが、これはあくまでも「比率」の問題であり、人数とは別物であることに注意する必要がある。
つまり女性は「死別」が大きく伸びているため、その分「有配偶者」の比率が減っている。具体的には高齢女性の場合、高齢男性と比べて「配偶者に先立たれて一人身となった人の割合が多い」事実を意味する。女性の方が平均寿命が長いため、当然の話ではあるのだが。
60代以降では女性の「死別」の比率が非常に高くなり、紫の領域が多分になっていることからも、その実情が理解できるはずだ。80歳以上の存命の女性では実に半数以上が配偶者に先立たれている計算になる。
よい機会でもあるので、経年変化における離別率(離婚してそのまま再婚していない人)の割合を算出する。
上昇傾向にあるのは男女とも変わらない。他方、全般的に女性の方が離別率は高いのが目にとまる(横軸は男女とも同区分で構成している)。なお「離別率」とは「離婚率」とは別で、「離婚した後に再婚せず、配偶者がいないままの状態」を意味することに注意されたい(離婚したあとに再婚すれば、離婚経験はあるものの、離別状態にはない)。女性の場合は子供がいればいわゆる「母子世帯」となるが、女性の方が離別率が高い以上、「母子世帯」の割合は「父子世帯」より多いことは容易に想像できる。
男は40代後半以降、女性は40代前半以降の値が大きくふくらんでおり、中年以降の夫婦間の絆、バランスに何らかの変移が生じている可能性を示唆している。子供がある程度成長した、あるいは子供に関してる何らかの対立が生じ、離婚に結びついてしまうのかもしれない。
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