イタリア人が日本人のために作った防水ライディングブーツと史上最高の防水ネオレトロブーツどっちがいい?
会社に着いた後も靴を履き替えることがなかったので、足元がビショビショというわけにもいかず、靴を選ぶ際には防水であることが条件になりました。
今まで色々な防水ブーツを履いてきましたが、現在のお気に入りはガエルネのG-STONEゴアテックスです。
ガエルネはイタリアの靴職人集団で、日本ではJAPEXが輸入代理店を務めています。
JAPEXがガエルネと共同開発で日本人のために開発したのがパンテーラゴアテックスです。
某メディアで取材のためにお借りしましたが、今回は2年間愛用しているガエルネのG-STONEゴアテックスと比較したいと思います。
1:見ため
一般的ワークブーツ的な見ためのG-STONEに対して、パンテーラはハイテクスニーカーのような独特の見ため。
G-STONEは靴紐でフィット感を調整し、パンテーラはバックル、素材もG-STONEがレザーを採用しているのに対して、パンテーラは人工皮革なのでクラシックなG-STONE、ハイテクなパンテーラという印象です。
カラーはG-STONEがブラックとブラウン、パンテーラはブラックのみとなりますが、G-STONEのブラウンは落ち着いた色味なので、ブラック、ブラウン共に派手さはありません。
対してパンテーラはミッドソールにホワイトを採用しているため、ブラックとホワイトの切り返しで派手に見えます。
実際写真を撮ってもパンテーラは目立ちます。写真映えしたいならパンテーラの方が良いかもしれません。
2:防水性
どちらも防水ブーツなので、気になるのは防水性ですよね。
G-STONEはフルグレインレザー、パンテーラは人工皮革を採用しており、どちらも防水性はありませんがパンテーラの方はパンチングされていて通気性を強調していることがわかります。
表素材の内側には世界一有名な防水透湿素材のゴアテックスを採用しており、どちらも表面からの浸水は考えにくいです。実際に2年間着用してG-STONEは後述するポイント以外に浸水したことがありませんでしたし、パンテーラも5分間シャワーの水をかけ続けても浸水しませんでした。
浸水しやすいのはファスナー部分と靴の上の部分ですが、G-STONEのファスナー裏はレザーと布の補強が入っており滅多なことでは浸水しません。実際に通勤で使っていて浸水した記憶がありません。
靴の上部分はレインウェアの丈が短いと乗車姿勢をとった際に浸水しやすいポイントですが、G-STONEの方が5cmほど丈が長くなっています。
そのため、どちらも防水性には優れたブーツですが、どちらかと言えば・・・という点ではG-STONEの方が優れていると言っていいでしょう。
3:歩きやすさ
出社してから営業であちこち歩き回ることが多かったので重視していたのが歩きやすさでした。実は歩きやすさで歴代最強はモンベルの防水トレッキングブーツだったのですが、G-STONEも比較的歩きやすいライディングブーツです。
パンテーラも実際に履いて歩いてみたのですが、圧倒的にパンテーラの方が歩きやすいです。足がめちゃくちゃ軽く感じます。
実際に両方の重さを図ってみると、パンテーラとG-STONEの重さの違いは約20g程度。靴の重さとしては決して小さくはない違いかもしれませんが、数値以上の違いを感じます。
もしツーリング先で歩き回ることを検討するならパンテーラの方がいいかもしれません。
4:グリップ力
G-STONEは濡れた砂利道などを歩くことも想定したブロックパターンを採用しており、パンテーラは内側がフラット、外側がブロックという独自パターンを採用しています。ただブロックの高さはG-STONEと比べても一目瞭然です。
実際にどちらも履いて歩いてみましたが、地面に吸い付くようにグリップするG-STONEに対してパンテーラはそこまででもありません。
雨の路面もつかむようなパターンにはなっていますが、グリップ力に関してはG-STONEに軍配が上がります。
5:防御力
ライダーなら万が一の防御力も気になるところ。レザーブーツは耐摩耗性に優れているのでライダーの足を守ります。
人工皮革って大丈夫なの?と思うかもしれませんが、近年では子供にぶん投げられるランドセルにも採用されているため強靭さは折り紙付き。
ですがG-STONEにはそれにプラスしてアンクルガードが追加されています。防御力を気にするならG-STONEの方がお勧めです。
6:履きやすさ、フィット感
以前履いていたモンベルの防水ブーツが圧倒的なフィット感だったので、やっぱりフィット感重視なら紐靴と思っていましたが、パンテーラを履いて自分の中の常識が変わりました。
僕の靴紐の結び方が良くないのかもしれませんが、バックルタイプのパンテーラの方がフィット感に優れる印象です。
サイドファスナー付きのG-STONEも履きやすさには優れますが、どちらか楽か?と問われればバックルタイプのパンテーラの方が楽です。
7:足つき
低身長ライダーの筆者としては足つきの肝となるソールの厚さが気になるところ。パンテーラのソール厚は公表されており、つま先2cm、かかと4cmとあります。
ノギスで計ってみたところ、G-STONEはつま先1.7cm、かかと2.8cmでした。素人採寸なので多少誤差はあると思いますが、かかとは1cm以上違います。
ただ身長が低い筆者は踵まで付くバイクは殆どありません。足つきを気にする人のポイントになるのはつま先のソール厚部分です。
数mmでもかなり異なりますが、G-STONEはソールのフィット感に優れていることもあり、どちらも大きな違いはありませんでした。
足つきを気にする方はどちらもお勧めです。
結論:重視するポイントで選べばOK
7個の視点で比較したところ、まさかの3勝3敗1引き分けになりました。
どちらも防水ブーツとしては優れているので、結局見ためで気に入った方を選んでも問題ありません。
ただ重視する点で選ぶなら、今回の比較を参考にして頂けたら幸いです。