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名古屋中村区)能登最後の織元がおくる夏のアイテムずらり!能登上布は蝉の羽の薄さ、タカシマヤ麻織物催事

サファーライター(名古屋市)

ジェイアール名古屋タカシマヤ(中村区)では、13日(火)まで「〈織元 山崎麻織物工房〉期間限定ショップ 能登上布フェア」が開催中です。

■「娘に買ってあげたい」、次世代に継いでいける強い織物

石川県指定無形文化財の能登上布(のとじょうふ)。
唯一の織元である山崎麻織物工房(石川県羽咋市)が手がけるファッションブランドの夏着物や帯、雑貨、約200点が一堂に会します。

麻は何十年も愛用でき、なんといっても自宅で洗えるのが魅力。
麻は何十年も愛用でき、なんといっても自宅で洗えるのが魅力。

2000年前に発祥したといわれる「能登上布」。上布とは、上等な麻織物のこと。昭和の最盛期には120軒あったその織元も、現在は山崎麻織物工房の1軒のみとなりました。

何枚か撮影しましたが、途中、布越しの棚にピントが合ったような気も。この薄さ、肉眼で確かめてほしいです。
何枚か撮影しましたが、途中、布越しの棚にピントが合ったような気も。この薄さ、肉眼で確かめてほしいです。

「蝉の羽」と称されるほどの薄い生地でありながらも、その堅牢さは目を見張るものがあります。40年前に仕立てられ、使われてきた能登上布の着物を拝見しましたが、月日の経過やくたびれを全く感じさせないシャンとした姿に品質の高さを感じました。

代々引き継げる強さから、地元では「娘に買ってあげたい」と思っている親御さんが多いというのも納得。

薄さ、伝わるでしょうか。涼しそう。まるで日本画の世界。
薄さ、伝わるでしょうか。涼しそう。まるで日本画の世界。

■「能登最後の織元」の想いで震災8日後には機織りを再開

詳しくは店内のパネルでご覧いただけます。
詳しくは店内のパネルでご覧いただけます。

今年1月に発生した能登半島地震では工房も甚大な被害をうけ、生産を中断するほかありませんでした。しかし、「能登上布最後の織元である」という想いから8日後には機織りを再開。震災前の生産量には及ばないものの、一歩ずつ歩みだしているそうです。

■「伝統を絶やしたくないから」応援の声

6月に工房を訪ねたという野々市市(石川県)出身のタカシマヤのスタッフの方は、

「住んでいたところの良さを応援したいです。最後の一軒ですが、何とか残ってほしいという気持ちです。売り場にも『応援したい!』という強い気持ちで駆けつけてくださるお客様も大勢いらっしゃいます」

とおっしゃっていました。この日も、能登上布を愛するお客さんが「伝統を絶やしたくないから」と訪れていました。

薄手で、まるで風をまとっているよう。シャリシャリとした肌触りが夏にぴったり。売り場には、夏きものや帯、反物のほか小物もずらり。

どれも凛とした雰囲気があり、とても素敵です。

いろいろな柄がある名刺入れ。耳飾りは3,000円台~。コサージュやブローチ、ストールなども。麻のストールは、夏は涼しく冬は暖かく。1年中使えます。薄いのでかさばらなくて良いですね。
いろいろな柄がある名刺入れ。耳飾りは3,000円台~。コサージュやブローチ、ストールなども。麻のストールは、夏は涼しく冬は暖かく。1年中使えます。薄いのでかさばらなくて良いですね。

能登上布の製品がこの規模で一堂に会することは珍しいそうです。

スタッフの方は「触って、麻の生地がどんなものかを知っていただけたらと思います。ぜひお手に取ってご覧ください」とおっしゃっていました。

コロナ禍以降、着物でお出かけされる方が増えているという実感があるそう。私も、美術館や舞台、喫茶店にお出かけしてみたい!お着物であんみつとか食べたい!!
コロナ禍以降、着物でお出かけされる方が増えているという実感があるそう。私も、美術館や舞台、喫茶店にお出かけしてみたい!お着物であんみつとか食べたい!!

作り帯などの相談にものってもらえるので、着物に初チャレンジしてみたい方も、この機会にタカシマヤ11階 きものサロンへおでかけくださいね。

また、世界で活躍するパティシエ辻口博啓さん(石川県七尾市出身)からの直筆応援メッセージも寄せられています。ふるさとの復興に向けた想いを会場でぜひご覧くださいね。

8月9日からは織元のスタッフの方も来場されます。直接お話を伺うこともできますよ。
8月9日からは織元のスタッフの方も来場されます。直接お話を伺うこともできますよ。

【イベント詳細】
〈織元 山崎麻織物工房〉期間限定ショップ 能登上布フェア
場所:ジェイアール名古屋タカシマヤ11階 きものサロン
住所:名古屋市中村区名駅一丁目1番4号
期間:8月7日(水)~13日(火)
山崎麻織物工房公式ホームページ
山崎麻織物工房公式インスタグラム

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ライター(名古屋市)

名古屋在住。働き、暮らしながら「虫の目」で見つけた気になったもの、「素敵ね」と思ったことをゴキゲンに発信しています。「ワクワク」や「美味しい」、「へぇ~!」を大事に。ラジオが好きで、聞きながらあちこちへ行く毎日。白黒の猫と暮らしています。硯に向かいて20年、どうぞよろしくおねがいします。

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