【世界で大ヒットした史上最強のスーパー戦隊とは?】獣電戦隊キョウリュウジャーの海外での大活躍とは?
みなさま、こんにちは!
文学博士の二重作昌満(ふたえさく まさみつ)です。
震えるような寒い日が続いておりますが、皆さまいかがお過ごしですか?
さて、今回のテーマは「ブレイブ」です。
「どういうこと?」という方もいらっしゃるかと思いますが、「ブレイブ(brave)」とは、総括的に勇敢さを表わす言葉。英語で「勇敢な、勇気ある(形容詞)」、また「勇士(名詞)」を意味する言葉でもあります(リーダーズ英和辞典)。
そんな勇気のある存在を象徴する言葉である「ブレイブ(brave)」ですが、我が国が世界に誇る特撮ヒーロー番組の世界において、この「ブレイブ」という言葉が重要なキーワードとなった作品がありました。
その作品とは『獣電戦隊キョウリュウジャー(2013)』。東映制作の特撮ヒーロー番組『秘密戦隊ゴレンジャー(1975)』を起点とする、スーパー戦隊シリーズの第37作目。彼らのモチーフは「恐竜」。ティラノサウルスのレッド、トリケラトプスがピンク、ステゴサウルスがブルーといった具合に、各色のメンバーに人気恐竜の能力が割り当てられた史上最強のブレイブチーム「キョウリュウジャー」が、たくさんの生命が謳歌する地球を守る物語でした。
そこで本記事では、そんなブレイブ溢れる『獣電戦隊キョウリュウジャー(2013)』の物語と海外展開について、少しだけ辿ってみたいと思います。
※本記事は「私、戦隊モノを観たことない」、「特撮に詳しくない」という皆様にも気軽に読んで頂けますよう、可能な限りシンプルにお話をして参ります。お好きなものを片手に、ゆっくり本記事をお楽しみ頂けますと幸いです。
【聞いて驚け!】史上最強のブレイブ!獣電戦隊キョウリュウジャーってどんなスーパー戦隊?
さて、ここからは『獣電戦隊キョウリュウジャー(2013)』の物語を少しだけ辿ってみたいと思います。上述しましたとおり、本作は東映制作の特撮ヒーロー番組『秘密戦隊ゴレンジャー(1975)』から数えて37作目のスーパー戦隊シリーズ。
『獣電戦隊キョウリュウジャー(2013)』の大いなる魅力は、その圧倒的な「明るさ」と「快活性」にあります。ひとりひとりが個性豊かかつ、カラフルな戦隊メンバーが、邪悪な敵に立ち向かい、圧倒的な強さとチームワークで敵を倒す描写が毎週展開された本作は、たちまち子ども達の心を掴みました(次の章で後述しますが、その盛況ぶりは日本だけに留まらず、米国や韓国等、グローバルに及んでいます)。
そんな『獣電戦隊キョウリュウジャー(2013)』ですが、本作は賢神トリンに選ばれた5人(後に6人となる)の「強き竜の者たち」が、後にパートナーとなる獣電竜との戦い(試練)に打ち勝ち、ヒーローになる資格を得たことで「キョウリュウジャー」を結成して、地球の生命の絶滅を企む悪の軍団「デーボス軍」から地球を守る物語。
キョウリュウジャーは史上最強のブレイブチームを謳うスーパー戦隊。つまり「とにかく強い!」ヒーローであることが特徴でした。なんと本作第1話にして、1億年前に氷河期をもたらして恐竜を絶滅させた敵を倒すという快挙を見せつけたほか、獣電竜の力を宿した「獣電池」の力で、敵や状況に応じて能力を強化。さらには番組の進行と共に次々と仲間が加わり、最終的に10人体制の大規模なスーパー戦隊となりました。
キョウリュウジャーを結成するメンバーもひとりひとりが個性的。恐れを知らない明るい冒険家、キョウリュウレッドことダイゴ(演:竜星涼氏)、超古代文明の研究者でプレイボーイのブラックことイアン(演:斉藤秀翼氏)、家族思いの好人物でオヤジギャグが得意なブルーことノブハル(通称ノッさん、演:金城大和氏)、剣術を継承した高校生で生真面目なグリーンことソウジ(演:塩野瑛久氏)、アメリカからきた留学生で大財閥のお嬢様のアミィ(演:今野鮎莉氏)、戦国時代から現代に復活した心優しき剣士のゴールドこと空蝉丸(通称ウッチー、演:丸山敦史氏)。
ヒーローも個性的なら、彼らと戦う悪役だって個性派揃い。人間の「喜怒哀楽」の感情を集めて首領(デーボス)を復活させようとするデーボス軍の幹部達も、喜びの戦騎キャンデリラ、怒りの戦騎ドゴルド、哀しみの戦騎アイガロン、楽しみの密偵ラッキューロと、人間の感情を象徴する憎めない悪役達でした。なんとこの4人、番組終盤にはこれまでの悪事を後悔した者、さらにはキョウリュウジャーと共闘してデーボス軍の討伐に力を貸した者、またキョウリュウジャーのメンバーと相思相愛になった者もいました。
そんな大いなる魅力溢れる『獣電戦隊キョウリュウジャー(2013)』は、約1年間の国内での放送を終了し、米国をはじめとする世界へと渡ります。キョウリュウジャーが日本の子ども達に愛されてきたように、たちまち各国でも子ども達のハートを射止めることになったのでしたー。
【アメリカに韓国!】世界で戦い続けたキョウリュウジャーが進む新たな未来とは?
大好評を得た『獣電戦隊キョウリュウジャー(2013)』は、日本での放送終了後に『パワーレンジャーダイノチャージ(Power Rangers Dino Charge)(2015)』及び『パワーレンジャーダイノスーパーチャージ(Power Rangers Dino Super Charge)(2016)』と題して、米国でも放送が開始されました。本作は、日本版『キョウリュウジャー』の戦闘シーンを一部流用し、ニュージーランド(外部リンク)にて撮影されたほか、日本版では展開されなかったキョウリュウジャーの新たな姿(強化フォーム)も登場する等、こちらも豪華絢爛な内容かつ「ブレイブ」なキョウリュウジャー達の大活躍を堪能できる名作となりました。
(余談ですが、幼少期から日本とハワイの二カ国で生活をしてきたので、私も米国の『パワーレンジャーダイノチャージ(2015)』放送時のブームをハワイで体験してきたのですが、特に印象深かったのはクリスマス(ホリデーシーズン)。地元のスーパー「Walmart」でクリスマス直前にキョウリュウジャーや怪人達のフィギュアが多数入荷したと思えば、クリスマスが終わるとほぼなくなっていたこと、さらにはパワーレンジャーの玩具入りの買い物袋をぶら下げて商業施設を歩いていたら、「それはどこに売っていた?」とお母様に尋ねられ、トイザラスまでの道を指さしで案内したことを覚えています。いつの時代も、恐竜とは子ども達に普遍的に愛される題材なのだなと実感したものです。)
また、日本のお隣・韓国では、スーパー戦隊シリーズ第37作『獣電戦隊キョウリュウジャー』(現地タイトル、『パワーレンジャー・ダイノフォース(Power Rangers Dino Force)』)が放映され、社会現象を巻き起こしました。本作のエンディングダンス(「みんな集まれ!キョウリュウジャー」)が韓国のスポーツ団体の公式応援歌に選ばれる程だったのだとか。さらに韓国では『キョウリュウジャー』が放送していた当時、ほとんどの本作関連玩具が品薄状態となり、特にロボットの玩具に関しては入荷日に行列が出来ただけでなく、商品の取り合いで喧嘩が起きてニュースに取り上げられたほどでした。上述した韓国での『キョウリュウジャー』の大好評を受け、同国ではその続編として『キョウリュウジャーブレイブ(2017)』も製作されました。
そして2025年現在ー。キョウリュウジャーの活躍はまだまだ続いています。
スーパー戦隊シリーズ第48作『王様戦隊キングオージャー(2024)』では、キョウリュウジャーの面々が再登場し、後輩のキングオージャーの戦いを支援したほか・・・。
2025年2月16日より放送開始の、スーパー戦隊シリーズ50周年記念作品『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』(外部リンク)では、主人公のゴジュウジャーに加えて歴代戦隊のレッドも登場!なんと戦隊同士のバトルも繰り広げられるということで、もしかしたらキョウリュウジャーも参戦か・・!と思うと、期待に胸が高鳴ります。
本記事で取り上げた『獣電戦隊キョウリュウジャー(2013)』の放送終了から、約12年の歳月が流れました。放送当時観ていたよ!という子ども達も、今は立派なお兄さんやお姉さんになっているかな・・と思います。
しかし、どれだけ時が流れ続けようとも、キョウリュウジャーと共に歩んだ世界中の人々の中に刻まれた「ブレイブ」は、いつまでも力強く輝き続けていくことでしょう。
最後までご覧頂きまして、誠にありがとうございました。
(獣電戦隊キョウリュウジャーを視聴するなら)
・東映特撮ファンクラブ(TTFC)(外部リンク)
(参考文献)
・菅家洋也、「講談社シリーズMOOK スーパー戦隊シリーズ Official Mook スーパー戦隊 Official Mook 21世紀 vol.13 獣電戦隊キョウリュウジャー」、株式会社講談社
・鈴木武幸、「夢(スーパーヒーロー)を追い続ける男」、株式会社講談社
・坂本浩一、「映画監督坂本浩一全仕事」、株式会社カンゼン