エチオピアがデフォルト(債務不履行)に。今後も途上国のデフォルトが続けて起きる可能性も
エチオピアは2024年12月満期の10億ドルの国際債券で猶予期間終了後に利払いを実施せず、2日にデフォルト(債務不履行)に陥った。
エチオピアは3300万ドルの利払いが11日の期限に履行できないとしており、14日間の返済猶予期間終了前に支払わなければ、デフォルトに陥ることになっていた。その猶予期間終了後に利払いはされなかったことで、デフォルトとなった。
世界銀行は新型コロナウイルス禍に加えて、ウクライナ危機、米利上げと景気リスクが一気に強まり、世界銀行は昨年4月に12か国前後が1年以内にデフォルトに陥る可能性があると警告していた。
2019年にノーベル平和賞を受賞したエチオピアのアビー首相は、欧米や中国からの融資を受けて、鉄道を中心にインフラ開発を推進したものの、そこで背負った多額の債務を返せるだけの経済成長ができなかった(26日付朝日新聞)。
コロナ禍以降、アフリカ諸国でのデフォルトは、ザンビア、ガーナに続き3か国目となる。また、スリランカも2022年4月にデフォルトに陥った。
途上国の借金は増加傾向にあり、世界銀行によると、世界の途上国が抱える借金の総額は1300兆円と10年前の2倍に達した。
先進国の記録的なインフレと、このインフレを抑えこむための急速な利上げが大きな要因となり、巨額債務を抱えた途上国は、デフォルトリスクにさらされている。
11月17日のNHKの「予備軍が34か国も? 途上国に迫るデフォルト 危機の根源は?」と題する記事のなかでは、「過剰債務の国」として、コンゴ共和国、ラオス、ソマリア、スーダン、ジンバブエなどをあげており、また「過剰債務リスクの高い国」として、アフガニンタン、ケニア、ハイチ、モルディブ、モザンビーク、タジキスタン、トンガなどを挙げていた。
物価高を受けて、欧米の先進国は急ピッチでの金融引き締めを行ったことにより、投資マネーは縮小、新興国や途上国から資金を引きあげる動きが拡がった。高い利回りが見込めるドルやユーロが買われたことで、途上国は通貨安に見舞われる。これによってドルやユーロ建ての途上国債務が膨れ上がる格好となっていた。
途上国の政府・中央銀行は自国の通貨安を防衛しようと、ドル売りの為替介入を行った。しかしこの流れは止まらず、介入原資となるドルなどの外貨準備が大幅に減少することになり、これによって対外債務の返済がさらに難しくなる悪循環に陥った。
欧米の先進国は2024年には利下げを実施するとの見方が強まっていることで、この悪循環は多少なり緩和されるかもしれない。しかし債務の返済が厳しいことに代わりはなく、今後も途上国のデフォルトが続けて起きる可能性はありうるか。