【旭川市】名湯ここにあり。ファン多き上兵村の温泉旅館「龍乃湯温泉」が3/31閉店予定。日帰り入浴あり
昭和から多くの皆さんに愛されている「たつ」の名を冠する名湯が上兵村にあります。その名も「龍乃湯温泉」と言い、干支を冠していることから今年はパワーみなぎる年になるのかと思いきや、2024年3月31日(日)をもって閉店するということで、旭川近郊の温泉好きの皆さんをどれほど驚かせたかしれません。とにもかくにも龍乃湯温泉に日帰り入浴に行くことにしました。
★温泉施設について
到着したのは17時過ぎでしたが、駐車場にはズラリと車が並んでいました。駐車スペースは多くありますが、時間によっては大混雑となるのでお気を付けください。
入店すると、受付右手に券売機があります。日帰り入浴を利用される方は入浴料600円、サウナを利用する場合はプラス100円となります。
脱衣所にもロッカーはありますが、貴重品はロビーのロッカーに預けると良いかと思います。アメニティは石鹸は常備されていますが、シャンプーなどの設置はありません。洗い場は10名ほどが一度に使用できます。
女湯には、高温、中温、ジャグジー、水風呂にテレビ付きのサウナ、露天風呂もありました。内風呂の泉質は単純鉄冷鉱泉で、色は赤褐色で、中温と高温があります。中温といっても体感は45度くらいでしょうか。普段は41度ほどの筆者にはかなり熱く、入るまで時間がかかりました。露天風呂とジャグジーは色は透明で、露天風呂は外気もあるので温度は42度くらいに感じ、筆者には適温でした。
特に内風呂は熱い温泉を好む人にオススメです。
単純鉄冷鉱泉とは、溶存物質が1kg中1g未満で、源泉の温度が25度以下の泉質とのことです。温泉の色が赤褐色なのは鉄が錆びた色であり、含鉄泉は日本全体で見ても希少とのことです。龍乃湯温泉の単純鉄冷鉱泉は熱いですが、次第に熱さに慣れていき、体の芯まで温まります。温泉からあがり30分ほど汗がひかず、その日は体がぽかぽかしていました。心なしか肩が軽くなったように思います。
清掃もとても行き届いており、きれいな施設です。
★龍乃湯の由来
かつてこの場所に住んでいたT氏とその娘が何日も続けて龍神の夢を見、同時期に家では妙な音が鳴りました。その音は他人には聞こえず、東旭川の人に神意をうかがうと「脚の悪い児に井戸を掘らせよ」と言われました。脚を患っていた次女に思う場所を掘らせると、やや白く濁った水が出たので保健所に分析を依頼したところ鉄泉と判明。温泉経営の認可を受け開業したのが龍乃湯温泉のはじまりです。
温泉開業は1951年のことで、その後、先代が縁あって譲り受け、現在の店主さんが引き継いでいます。かつてはドライブインや食堂もあったとのことです。1999年には建て替えを行い、敷地も大きくして現在に至っています。2016年にはいったん休館しましたが、数か月後には復活。その後に食堂は閉じたとのことですが、その食堂の「ラーメン」は人気があり、今でも思い出す人が多くいるようです。筆者の名古屋の知人が忘れられない味だと言っていました。
場所は旭川郊外の東旭川町上兵村で、明治の世に屯田兵が入植した地域であり、旭山動物園にもほど近い場所です。温泉旅館のすぐ近くには軍神と言われた加藤建夫の生家があり、かつては子どもたちが旭山に遠足に行く際には、あえて生家跡をまわってから旭山にいっていたという話があるそうです。
★閉店理由
ボイラーや、不純物が配管に詰まることが多いため配管工事に莫大な費用がかかること、また燃料費の高騰から「閉店」を決めたとのことです。「辰年なのでやめるのにはちょうど良い」と話していますが、常連さんの言葉を聞くと「やめるのが申し訳なくて」と寂しそうな顔をしていました。
日帰り温泉は3月31日、宿泊は4月1日のチェックアウトをもって龍乃湯温泉は閉店となります。
宿泊もリーズナブルであり多くの人が利用しています。昨年の「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」では、出川さんたちが宿泊の交渉にきたそうですがあいにく満室だったとのことで充電のみで宿泊は別の宿となりました。人づてに話が伝わり、出川さんたちの到着時には多くの人が旅館に集まっていたそうです。
「前に休館しているから」「また復活するんじゃない?」と多くの常連さんが言うそうです。店主さんたちに尋ねてみると「一度店は閉じてみてから」と言っており、復活は難しいようですがゼロパーセントではないといったニュアンスでした。
敷地内には「龍王神社」があり、年に一度祭祀を行っているそうです。どんな形であれこの希少な名湯が残ることを祈願しました。
果たして、龍神さまの思し召しはいかに?
旭川市の温泉旅館
☆龍乃湯温泉
住所:旭川市東旭川町上兵村91
駐車場:あり
料金:日帰り入浴600円 (サウナはプラス100円)
備考:2024年3月31日(日)閉店予定