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【背中スイッチ対策】抱っこで寝かせても、下ろすと泣いてしまう子の解決法【専門家解説】

ねんねママ(和氣春花)乳幼児育児アドバイザー

赤ちゃんが寝てくれる時間は、お布団に下ろせれば親もフーッと一息つける時間…のはずなのですが、「布団に下ろせない」「下ろしてもすぐに起きてしまう」という方は多いもの。

小児睡眠の専門家として夜泣きや寝かしつけのご相談をお受けしている中で、よく出るキーワードが「背中スイッチ」。背中にスイッチがあるかのように、お布団に下ろそうとすると反応して起きてしまう、というお悩みを抱えている方は多くいらっしゃいます。

  • 抱っこで寝かせたら下ろせない
  • 下ろそうとすると背中スイッチでいつも起きてしまう
  • 下ろせても30分もせず起きてしまう

など、親にとって貴重な休息時間のお昼寝が、抱っこで自由がない、休めない、息がつけない…と皆さん色々苦労されています。

今回の記事では小児スリープコンサルタントで乳幼児育児アドバイザーのねんねママが、赤ちゃんに布団に下りて長く寝てもらうための解決法をお伝えします。

なぜ布団に下ろすと泣くのか?

赤ちゃんを抱っこして寝かせたのに下ろすと泣いてしまう理由はズバリ、状況が変わるからです。

抱っこされて寝かされた子は、抱っこされている状態というのが最後の記憶になります。ふと目が覚めて「なんで置かれてるの!?」と気付いてしまうと、せっかく置けても5~15分、長くても30分程度で起きてしまいます。

でもその前に、そもそも布団に置けないことも多いですよね。

その原因は重心の変化とお腹が離れてしまうこと。着地させようとして縦向きだったのを横にしたり、そっと置こうとした瞬間に重心の変化に気付いて泣いてしまいます。自分を守るため変化に敏感になり泣いてしまうのは当然の反応なんです。

また、ママの胸と赤ちゃんのお腹が離れることによって「ママの温もりがなくなった!」と気づいて泣いてしまう、というのも要因です。「背中スイッチは実はお腹にある」とも言われています。

ですから、本当は何も変化させないのが長く寝てくれるためには良い、ということになります。つまり抱っこで寝かせたなら抱っこのまま寝かせておく、ということです。

しかしそれでは身体がつらいですよね…そのために、布団に下りて寝てもらうようになるための解決方法をお伝えします。

布団に下ろすと泣いてしまう子のための解決法

布団に下ろすと泣いてしまう子のための解決法は2つあります。

一つ目はぐっすり寝てから下ろすこと、二つ目は最初から布団に下りて寝られるようになることです。

①ぐっすり寝てから下ろす

環境の変化はありますが、着地の成功率を高める方法です。入眠後すぐは起きてしまう確率が高いので、10~15分経って眠りが深くなったタイミングで下ろすのが成功のポイント。

なるべく周囲の環境を変えないようにして(暗い方が良いですが、リビングならリビングのまま)、胸をつけた状態をキープして下ろします。

ママとの接触部分が離れることに不安を感じる要素が大きいので、胸をつけた状態のままそっと下ろしましょう。できるだけ最後まで胸をつけたまま下ろして2~3分キープし、そーっと離れると成功率が高まります。

実演している動画はこちら(Instagram動画)

ラップ抱っこ紐の活用もOKですし、寝返り前ならおくるみを使って寝かせてから下ろすのもおすすめです。

ただこの方法だと長くても30分くらいで起きてしまいます。ですから根本的な解決策としては②になります。

②最初から布団に下りて寝られるようにする

②は最初から布団に下りて寝るので変化がなく、長く寝られるようになることが期待できます。下りて寝るようになるには、ここが寝るところなのだと認識すること、置かれた状態で自力で寝る力の獲得が必要です。

ただこれには練習が必要で、取り組むタイミングは夜からがおすすめです。

何故かというと昼は起きる時間帯と認識しているので、夜より眠りづらいのです。夜できないことは昼も難しいので、まずは夜だけ布団に下りて寝る練習をしてみてください。

練習方法は、

①まず寝床に置く
②「ここがあなたの寝る場所だよ」と寝る場所を声掛けで教える
③泣いても2~3分見守る(難しければ1分でOK)
④無理そうであれば抱っこで落ち着かせる
⑤もう1回寝床に置いて、寝床を教えてあげる

これを2~3回繰り返します。

▼YouTube動画で詳しく解説しています。

まずは10分くらいから始めるのが取り組みやすいかと思います。最初のうちは抱っこで寝ても構わないので、まずは「布団で寝るんだよ」と伝えることを目的に取り組みましょう。下りて寝ることを目的にすると苦しくなってしまいます。

練習して1~2週間経ち、ステップアップしたいなと思ったら見守る時間を長くしてください。5分、10分など見守ってあげて寝付きそうになったらトントンで誘導しても良いです。抱っこなしで寝られる経験ができると、徐々に成功率が上がって毎日寝られるように定着していきます。

そして週3~4回、夜に布団に下りて寝られるようになったら次は朝寝から練習してみましょう。夜と同時に練習するのはNGではないですが、朝・夜の練習を同時に始めるのは親子とも大変です。お昼寝が上手くできずコンディションが悪いまま夜に響くのも避けたいので、朝寝の練習は夜の成功がある程度定着してからおすすめしています。

お布団で少しでも長く寝てもらえたら、ママもパパも休めてありがたいですよね。

休めるときにしっかり休んで、大変な時期の育児を少しでもラクにしてもらえたらと思います。

▼YouTube動画でも詳しく解説しています。

乳幼児育児アドバイザー

乳幼児育児アドバイザー。小児スリープコンサルタント。0-3歳モンテッソーリ教師。株式会社mominess代表。YouTube「ねんねママのもっとラクする子育て情報局」やInstagramなどで乳幼児の育児に関する発信を続け、2024年現在、SNSの総フォロワーは約20万人。運営する「寝かしつけ強化クラス」では月間200問以上の睡眠に関する質問回答を行っている。著書に『すぐ寝る、よく寝る 赤ちゃんの本』『〇✕ですぐわかる!ねんねのお悩み消えちゃう本』がある。

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