ハワイの人気スポット、ウォールアートはこうして生まれた!
近年はカラフルなウォールアートの街として有名になったハワイ・オアフ島のカカアコ地区。高層コンドミニアムの建設が続き、センスのいいお店は流行の発信地となり、今ハワイで最も注目を集める街の1つです。
日本では、“インスタ映え”という言葉が流行語にもなっていますが、まさに、ハワイを訪れた人たちが、このウォールアートを撮影している場面をよく見かけます。
とはいえ、これらの絵は一体、誰が何のために描いたものなのか?その理由はあまり知られてはいません。
ハワイに興味を持ってくれたら…
カカアコにあるウォールアートは、ハワイでアーティストたちの活動をサポートしている「POW WOW Hawaii」という非営利団体によって描かれています。
そして彼らと活動を共にする「808 Urban」という、もう1つの非営利団体を運営しているのがプライム氏です。
彼はハワイへの愛と歴史の知識の深さで、人々からメンター(※仕事上、または人生の指導者、助言者)と称えられ、尊敬されています。
ウォールアートを描くうえで彼が目指したのは、正しいハワイの歴史や文化を絵に取り入れること。それは街中にハワイの歴史をアートというかたちでちりばめることでもあり、知らない人が「これは何だろう?」と少しでもハワイに興味を持ってくれたら、という思いからでした。
また、この2つの団体は若者たちのサポートにも力を入れており、アートスクールの設立などを通して、未来を担っていく子供たちに、ハワイの伝統や歴史を親しみやすいアートというかたちで伝えています。
サステナビリティの意識
近年よく耳にする「サステナビリティ」という言葉。「持続可能性」という意味ですが、環境保護活動においてよく使われる言葉です。
例えば、ハワイ州は米国の州で初めて、ビニールのレジ袋を有料化する法律を決定し、さらに、最近でも、珊瑚に有害な成分を含む日焼け止めの販売が禁止されました。
このサステナビリティの意識こそ、ハワイの人たちには自然と根付いているのかもしれません。
美しい自然を守りたいという強い気持ちに加え、かつて王朝があり、その歴史や独特の文化を後世に伝えていきたいと思う気持ちも、「持続可能性」の1つと言えるでしょう。「これからの未来のために」という考え方が自然に存在しています。
こうして「子供たち」や「次の世代」のことも考えられて描かれたウォールアートが、ハワイではカカアコだけでなく、多くの場所に点在しています。
ハワイを訪れた人たちが、その画力にエネルギーを感じることはもちろん、ハワイの歴史や、アート活動に励む団体の存在を知るきっかけになることを期待します。
※今回取り上げました「カカアコ」地区で、5月に日本人観光客が襲われる事件がありました。以下、在ホノルル日本国総領事館からの注意喚起です。「警備の厚いワイキキからも離れており、必ずしも治安が良い地区ではありません。訪問の際は、ひと気のない場所に入り込んだり、夜間の一人歩きをしない、公園の公衆トイレの使用を極力控える、不審を感じたらその場を立ち去るなど、十分お気をつけください」(在ホノルル日本国総領事館・平成30年5月29日掲載一部抜粋)