【高萩市】農業で地域創生に取り組む、レタス農家こだわりの水耕栽培レタス。地元小売店とのコラボ商品も!
高萩市秋山にある『株式会社愛テックファーム』さんを知っていますか?会社の設立が平成29年9月とまだ設立から6年しか経っていない農業法人ですが、高萩市近隣の方はスーパーなどで販売されている「レタスマルシェ」という商品を見たことある方も多いのではないでしょうか。
レタスマルシェは、グリーンリーフレタス・レッドオーク・フリルレタスの三種類のレタスを1パックに詰めた商品です。レタスの葉先がフリルになっていたり、葉の色合いが異なりますので、お皿に他の野菜などと一緒に載せてみると、普段のサラダよりもワンランク上がったような見た目も美しいサラダになります。
愛テックファームさんのレタスの特徴としては、通常の栽培方法である“土”を使っての栽培ではなく、“水”を使った“水耕栽培”という方法で栽培しています。
水耕栽培のレタスはえぐみが出にくくお子様でも食べやすい味になっています。愛テックファームさんは、日々色々な品種のレタスの生産に取り組んでみたり、研究を重ね続けているレタスのスペシャリストです。県外や他社の方が直接指導を受けに訪れるそうです。
写真でも分かるように、農場は基本ビニールハウス内での栽培になり、天候に左右されることなく安定した栽培を続けることができます。
レタスの下に敷かれている発泡スチロールの下に土は無く、水のみです。一般的な土で栽培する場合は、土作りから始まり、成長した後も雑草や虫、水やりの管理、さらには天候に左右されるなど管理が大変ですね。他にも土で栽培する場合、同じ場所で栽培し続けると、生育が悪くなったりする“連作障害”に見舞われたりするので、場所の確保も意外に大変だったりします。農家さんの苦労は絶えないのです。
その点、土を使わないビニールハウス内での水耕栽培は天候や虫などにも影響されにくく、安定して栽培しやすそうですね。
良い面ばかり書きましたが、もちろん水耕栽培にも難点があります。取締役の松本様のお話しでは、どんなに管理をしていても、病気がでたり、品種によっては育ちにくかったり、本来の色が出なかったり、レタス特融の香りが出ないなど、水耕栽培ならではの難点も多いそうです。
設立当初は、失敗も多く試行錯誤の日々だったそうですが経営も無事軌道にのり、今では市内のスーパーでよく見かける商品となりました。松本様や愛テックファームの皆様の努力の賜物ですね。
■愛テックファームの地域貢献活動
経営が軌道に乗ったころ「直売所は無いの?」というお客様の声があったそうです。もともと松本様の中で構想していた自販機での販売を、この言葉をきっかけに実現へと動きました。自販機販売を始めたころは丁度コロナの渦中ともあり、時代にあった販売方法だったとも言えます。
設置当初の自販機は、愛テックファームさんの商品であるレタスの販売だけでありましたが、レタスの補充をしている際、一人のご高齢のおばあさんに出会いました。おばあさんは高齢にも関わらず、坂道のある道のりを歩いて訪れ商品を購入されている方でした。
愛テックファームさんの近所にスーパーはなく、車がないご高齢の方にとっての買い出しは、大変な労力であることに気づいたそうです。レタス以外の物も販売している方が嬉しいかおばあさんに尋ねると、レタス以外もあると嬉しいと言われたそうです。
愛テックファームさんの商品は、もともと都内などの地元以外向けに商品を販売をしていましたが、こうした小さなきっかけから、もっと地元にも貢献できるようなことがあるのではないかと、ふと気づき、経営方針を変更し地元に目を向けた生産活動を始めるようになりました。
こうして地域貢献への取り組みが始まり、地元の農家さんと真心込めて作った新たなブランド『絆』の商品が誕生しました。提携する地元農家さんのお野菜を愛テックファームさんで梱包し、地元のスーパーなどに出荷しています。
ゆくゆくは提携する地域の農家さんの数を増やし、『絆』のスケールアップをはかりたいとのこと。松本様は地元の農家さんと提携することで、農家さんの収入を守り、生産数と品質の高い商品を地域の方に食べてもらいうことが、地域創生になると考えておられ、みんなが幸せになるよう努力し続けています。
地元に目を向けた愛テックファームさん、日々の生産販売の中で必ず出てしまうフードロス商品をなくそうと始めたのが、愛トイッポ企画。愛トイッポ企画で扱われる商品は、収穫から一日しか経過していないまだ食べられる商品を、『おつとめ品』として通常価格よりも安い金額で販売しています。
おつとめ品で得たお金については、会社の利益にせず地元で必要とする団体への寄付や協賛金に使用しているとのこと。
愛テックファームさんの自販機では、地元の様々な飲食店さんとのコラボ企画を行っており、愛テックファームさんの自販機限定商品を販売する企画を随時行っています。次回の企画としては、『AMAZING JUICE(アメージングジュース)』というアボカドジュースとアボカドスイーツの専門店さんによる『アボカドジェラート』の販売を企画しているとのこと。次回の商品もとても楽しみですね。
レタス農家として生産販売をしながら、地域創生を目指して地域のために活動する愛テックファームさん。現在ハウスの数は第一・第二農場のみですが、今後第三農場を設営予定で、さらなる事業の拡大を行う予定とのこと。若手を応援する松本様ですが松本様自身も若手農家さんとして、今後のご活躍が期待されますね。
愛テックファームさんの商品をみかけたら、ぜひお一つ手に取ってみてはいかがでしょうか。