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タイガー・ウッズ、全米プロゴルフ選手権3日目後に棄権。右足が「痛い」。今後のメジャー出場に暗雲!?

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 全米プロゴルフ選手権3日目に79を喫し、最下位に転落したタイガー・ウッズが最終日を戦わずして棄権を表明した。

 昨年2月の交通事故で右足に重傷を負ったウッズは、今年4月のマスターズで戦線復帰し、今大会は復帰2戦目となった。

 戦いの舞台サザンヒルズ(米オクラホマ州タルサ)は、ウッズが2007年全米プロを制した思い出の場所だが、アップダウンに富んでいるため、回復途上の右足を抱えるウッズにとっては、歩いて回るのが厳しいコースと見られていた。

 初日は4オーバー、74で99位タイと出遅れながらも、2日目は1アンダー、69と巻き返し、53位タイで予選を通過。

 しかし、風雨に見舞われ、気温も低下した3日目は、一層厳しいコンディションの下、ウォーミングアップする以前から右足の痛みを訴えていたウッズのゴルフは大きく乱れていった。

 2番でボギーが先行すると、パー3の6番ではティショットを池に落としてトリプルボギー。7番でもボギーを叩くと、9番からは5連続ボギーと大きく崩れ、15番のバーディーのおかげで「80」こそ回避できたが、9オーバーのラウンドで通算12オーバー、76位タイの最下位で3日目を終えた。

 この日のウッズは池につかまること2回。フェアウエイを捉えたのは、わずか6回。レギュレーションでグリーンを捉えた(パーオンした)のも、わずか6回に留まり、同組で回ったショーン・ノリス(南ア)が「あんなプレーを披露することになってしまったタイガーの18ホールを傍で眺めるのは辛かった」と険しい表情で語ったほどだった。

 ウッズ自身は「(右足は)痛い。これから(治療やマッサージなどを)試みて様子を見る」と米メディアに語り、ドクター判断も含めて、最終日をプレーするかどうかを決めることを示唆していたが、ホールアウトから6時間後、棄権を表明した。

 ウッズ関係者からの情報を得た米メディアによれば、右足の状態は「かなり悪化している」とのこと。

 開幕前、サザンヒルズにやってきた際のウッズは「右足はマスターズのころより、ずっと回復して強くなっている」と嬉しそうに語っていたが、蓋を開けてみれば、むしろ悪化を招く結果になった。

 6月の全米オープンにはエントリー済みで、今年が大会150周年を迎える7月の全英オープンには「是非とも出場したい」とかねてから話しているが、全米プロ4日間を戦えなかった今、今後のメジャー大会出場可否が心配されている。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、長崎放送などでネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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