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【バレー】中田久美監督への期待、早く「中田JAPAN」という戦う集団に

大林素子スポーツキャスター、女優
(写真:アフロスポーツ)

久美さんとは35年来、監督就任は誇らしく嬉しい

ついに中田久美監督の全日本(女子バレーボールチーム)が始まりました。

少し前に雑誌の取材で中田監督と対談をさせていただきました。仕事で対談するのは久美さん(中田監督)が解説をしていた頃以来で久々のことで、実は仕事で久美さんと話すことはあまりないことなので照れもありました。久美さんとは35年来の、仲間、戦友、先輩、パートナー、育ての親(笑) 大好きな方。久美さんが全日本の監督になられて、やはり感慨深い思いがある。

一緒に解説をしていた時代が何年もあり、その頃は、“久美さんが監督”というのは、久美さん自身にも思いもよらないことでしたが、タイミングやいろいろな流れの中で、久美さんの中でだんだん監督・指導者というものが大きくなってきているのを見てきたので、「久美さん、早く現場に戻った方がいいですよ。それをインタビューするのが夢なんですから!」とずっと言い続けていました。

ようやくそのときがきて、全日本女子バレーボールチーム「火の鳥NIPPON」の始動会見(5月26日)で司会をさせていただいたときは高揚しました。「全日本女子チーム監督の中田久美よりご挨拶申し上げます」という一言がすごく嬉しくて誇らしかった。

中田久美監督と(全日本女子始動会見・坂本清撮影)
中田久美監督と(全日本女子始動会見・坂本清撮影)

「勝つチーム」を作るという言葉が頼もしく

選手をやっていた久美さんと引退してから解説者としての見方と、またイタリアに行き指導者側に立ったとき(セリエAのヴィチェンツァ、ノヴァラでアシスタントコーチ)の見方ではバレー観が時代とともに変わってきていて、葛藤もあったと思う。

それでも今は、久光製薬での経験(監督としてV・プレミアリーグ優勝3回、アジアクラブ選手権優勝1回、天皇杯・皇后杯を4連覇)があり、自分のやってきたものに確固たる形ができたのだと思う。だからこそ久美さんは会見でも胸を張って「勝つチーム」と言っていた。その言葉がとても頼もしく思えました。久美さんなりのものを見つけてきたのだなと。

全日本でどういうチームを作られていくのか見守っていきたい。ナナ(岩坂名奈)をキャプテンに指名したのもLINEだったというくらい久光製薬との選手との信頼関係はすでにできていると思うが、これからは他チームの選手とも同じくらいの信頼関係を築いていかなければならない。それはどの監督にとってもたいへん難しいこと。

久美さんは、選手時代はプレーで見せて引っ張る感じだったが、時代も変わり、選手のバレーへの取り組みや考え方も変わってきた。久光製薬の監督になってからは選手に合った練習法や距離感、コミュニケーションでチームを作り上げてきた。全日本でも、「中田JAPAN」という戦う集団に早くなってくれることを期待している。

女性監督のお手本であり、道筋に

全国でも小中高校、大学と女性の指導者は増えてきているし、V・プレミアリーグでも吉原知子監督(JT)、多治見麻子監督(トヨタ車体)が指揮を執っている。女子の監督は増えてきているが、全日本という一番高いところで女性の中田監督が監督とやるという実績はこれからの女子監督のお手本なり、一つの道筋になっていくと思う。そういった意味で久美さんのやることはバレー界にとってすごく重要であるし、注目されると思う。

スポーツキャスター、女優

バレーボール全日本女子代表としてソウル、バルセロナ、アトランタ五輪をはじめ、世界選手権、ワールドカップにも出場。国内では日立や東洋紡、海外では日本人初のプロ選手としてイタリアセリエAで活躍した。現役引退後は、キャスター・解説者としてバレーボール中心にスポーツを取材。日本スポーツマスターズ委員会シンボルメンバー、JOC環境アンバサダー、JVA(日本バレーボール協会)広報委員、JVAテクニカル委員、観光庁「スポーツ観光マイスター」、福島県・しゃくなげ大使としても活躍中。また、近年は演劇にも活動の場を広げ、蜷川幸雄作品や『MOTHER~特攻の母 鳥濱トメ物語~』などに出演している。

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