【ハッケン!土浦まち歩き】城下町・東崎周辺その4~土浦の奇習・ふんどしに巻いたお金を拾うと福来る!?
2月3日の節分の日の夜、本町では「まあかっしょ」や「まーかっしょ」「まかしょ」(以降、まかしょ)とも呼ばれる奇妙な習わしが催されます。鷲神社で参拝帰り、まるで決まったルートを辿るように本町の四辻に人々が集まってきます。
城下町で唯一四辻になっている場所が奇習の舞台
本町通りを真鍋方面に歩いてすぐの場所に四辻があります。2つの道が十字に交差しているのは、江戸時代の土浦城下ではここだけなのだそうです。日ごろはなんの変哲もない道ですが、年に一日だけ、四辻だからこそ行われるのが「まかしょ」なのです。
ふんどしや腰巻で巻いたお金を投げる「まかしょ」
節分の日の夜、いつもは静かな四辻にぞろぞろと人が集まってきます。
テントも立ってなにやらここでお祭りが始まるようです。
「『まかしょ』の語源には諸説ありますが土浦市史 民俗編では、「まきなさい」との方言ではないかと解説しています。節分の日の夜、厄年にあたる人々が用意してきたお金を辻でまくことで厄落としになると信じられてきました」と教えてくれたのは萩谷良太さん。東崎周辺のまち歩きを案内してくれている、土浦市立博物館の学芸員さんです。
男性は42歳、女性は33歳の厄年にあたる人々が、年の数だけお金を用意しておひねり状に紙に包みます。子どもたちの楽しみはこの「まかしょ」です。おひねりは今でこそ紙に包んだものを投げますが、戦前までは男性はふんどしに、女性は腰巻に包んで投げていたそうです。変わった風習ではあるけれど、投げた人は厄が払えて、拾った人には福がくるという、いいこと尽くしです。
今はシャッターが閉まったままですが、「まかしょ」が行われる四辻には「十字堂薬品」という薬局がありました。店名はおそらくこの十字路が由来しているのではないでしょうか。そう思うとストレートながら粋な店名に思わずクスリとしてしまいます。
<まかしょ開催地>
場所:茨城県土浦市中央2丁目本町通り四つ角(土浦ワード前) MAP