「不安障害」の原因とは?不安を乗り越えるための3つのポイント。
こんにちは、精神科医しょうです。
不安障害を患う人の多くは、生真面目で責任感が強い傾向があります。
物事を全力で真正面から受け止めてしまうため、些細な事でも受け流すことができず、心に大きな傷を負うなどして負荷がかかり過ぎてしまうことが発症要因の一つとも考えられています。
不安障害にはパニック障害、強迫性障害、全般性不安障害などさまざまなタイプがあり、それらを併発したり、より症状が重くなるとうつ病を併発したりしてしまうこともあるため、早期の治療が重要となります。
今回は「不安障害」について発症する原因と、とらえかたの工夫について解説していきたいと思います。
不安障害を発症する原因は?
不安障害を発症する原因については、はっきりとは解明されていませんが「本人の気質や性格」「環境的なストレス」「脳機能によるもの」が影響し合い発症すると考えられています。
順番にみてみましょう。
・本人の気質や性格
几帳面、真面目、責任感が強いなどは、どれも長所としてとらえられることが多いかと思いますが、度を過ぎると周囲だけではなく自分自身を苦しめてしまうものにもなり得るため、「こうでなければならない」「しなければならない」など、一つのことにこだわり過ぎず、広い視点でとらえるようにしてみましょう。
また、自分とは全く違う価値観の人と交流することで自分の内面に変化をもたらすことができるかもしれません。
・環境的なストレス
受験、入学・卒業、就職・失業、引っ越しなどのイベントや仕事や学校、家庭での対人関係、気象条件によるもの、健康など身の回りはストレスで溢れています。
自分ではコントロールできない試練も、生きていればたくさん経験するのではないでしょうか。
そのストレスをどうとらえるかは、自分次第であり、とらえ方によっては病を発症するかどうかの分かれ道になると言っても過言ではありません。
・脳機能によるもの
脳は部位によって司る機能が決まっており、どこが不調かで症状が異なります。
例えば扁桃体は「本能的な快・不快」や「恐怖・不安」などの感情を司る働きをしてくれています。
扁桃体が活性化することにより、体全体に反応が伝わります。
HSPさんをはじめ、繊細な気質を持つ方の多くは扁桃体の働きが人一倍、活発だと言われています。
「不安」を感じた時にストレスを乗り越えるための3つのポイントとは?
「不安」といっても感じるものは多種多様で、患っている本人にしかつらさの度合いがわからないこともあるため、孤独を感じやすい傾向があります。
どんな病でも人と人とのつながりが大切と言われるように、理解してもらえないことはお互いの関係性に悪い影響を及ぼします。
家族や友人がサポートしてくれることが、最も回復に良い影響をもたらすのですが、必ずしも理想的な形になるとは限らないためまずは、自分で回復力を高めていける方法を3つ伝授したいと思います。
①ストレスについて正しく理解する
ゆがみを生じさせる外部からの刺激をストレッサーと言い、その刺激を受けた状態をストレスと言います。
ストレスの度合いが高いと、限界を超え心身にさまざまな不調を引き起こします。
そうなる前にまずは、自分がどのようなストレスを受けているのかを理解しましょう。
②自分の傾向に気づき、ストレスをコントロールする
自分のものの見方や受け止め方、反応の仕方を知り、強みに変えることが大切です。
生きている限り、ストレスを感じることは避けられません。
マイナスの影響を最小限に抑えられるように、感情的になり過ぎず論理的に対処していくことが大切です。
③心の支えとなる人間関係や居場所をつくる
家族や一部の友人以外にも、味方となってくれる人はきっといるハズです。
心が苦しくて仕方がない時にはつい、感情的になり脳がパニック状態におちいりがちです。
普段から行政や医療機関が実施している相談窓口などを調べ、いざという時に活用できるようにしておきましょう。
現状はつらいかもしれませんが、後々振り返った時に「救われた」「助けてもらえた」という経験が自分を大きく成長させてくれるでしょう。
ストレスサインに気づくことが大切!
ストレスがあると、ずっと体のどこかが調子が悪いということが多くあります。
また、身体面や精神面よりも先に行動面で表れることが多く、人間関係がギクシャクし始めます。
まずはストレスを溜めないためにも、自分にとって苦手な刺激、許容範囲を知り、体が知らせてくれるサインに気づくように努めることが大切です。
我慢強い方は周囲が異変に気づくまで我慢するケースもあるため、自分の中で日数や時間、回数などを決めるなどし、自分を守るように心がけましょう。
まとめ
今回は不安障害の原因と不安によるストレスを乗り越えるための3つのポイントについて解説をしてみました。
ストレスのメカニズムを知り、心身から発信されたサインをまずは受け止め、対応する力を身につけることで、自分にとって良い状態をキープすることに役立ちます。
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