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【橋本市(高野山エリア)】もったいない精神から生まれた、ウナギのかば焼きで残った頭を使う料理

田中寛人地域のあしもとマイスター(橋本/高野/かつらぎ/九度山)

本日は、夏の土用の丑の日の2回目。

土用の丑の日といえばウナギですよね。

その売っているウナギのかば焼きをよーく見ると、シッポはあるのに頭はありません。

今回はそのウナギの頭を使った、大阪の庶民の家庭料理「半助豆腐」を作ってみました。

半助豆腐(焼き豆腐は無かったので普通の豆腐で作りました)
半助豆腐(焼き豆腐は無かったので普通の豆腐で作りました)

名前の由来(農林水産省「うちの郷土料理 -大阪府-」より)

かば焼きにした鰻の頭とともに豆腐を煮込んだもの。

鰻の頭を半助と呼んでいた。その由来は、昔は鰻の頭はザル1杯 50 銭で売られていたため1円(円助と呼ばれた)に対して半助と呼ばれるようになった説や、半助という名前の男が売っていたから、など諸説あり。

大阪では鰻のかば焼を作る際、鰻の頭つきのまま腹を開いてたれを付けて焼き上げ、最後に頭を落とす。切り落とすとはいえ、たれの味がしみこんでいることから安価ながら売り物にされたのであろう。その半助を豆腐やねぎとともにだし汁で煮込むと、コクの深い濃厚なだしが出て大変美味しい。半助についたわずかな身も楽しめる。

捨ててもおかしくない鰻の頭を一品料理として生かした半助豆腐には、食材を無駄なく使い切る大阪の「始末の料理」の精神が垣間見える。

半助豆腐から半助(ウナギの頭)だけ取り出したもの。わずかな身が付いている
半助豆腐から半助(ウナギの頭)だけ取り出したもの。わずかな身が付いている

作り方は、だし汁を鍋に入れ、焼き豆腐と調味料を入れ火にかける。沸騰してきたら半助を入れ最後に葉ねぎを入れる。

材料(4人分)

 焼き豆腐 1丁(360g)

 半助 100g

 青ねぎ 30g

 出し汁 1カップ

 砂糖 大さじ1.5

 こいくちしょうゆ 大さじ1.5

 酒 大さじ1

作り方

1.焼き豆腐は3×4cmの長方形に切り、青ねぎは3cmのぶつ切りにする。

2.出し汁を土鍋に入れ、焼き豆腐と砂糖、こいくちしょうゆ、酒を入れ火にかける。沸騰してきたら半助を入れ最後に青ねぎを入れる。

味の感想

・ウナギから出る脂やかば焼きのタレ由来のうま味が出ており、汁も美味しい。

・頭にちょっとだけ残っているかば焼きの身も美味しく、煮ることで身がとろっとなっている。

・出来立ても食べられるけれど、豆腐は冷めて味の浸みこんだ状態の方が一段と美味しい(写真は作りたてでまだ味がしみ込んでいないので豆腐は白い)

・ある程度具を食べたら、行儀が悪いかもしれないけれど、山椒をふって汁ごとぶっかけ飯にして食べるとこれもまたうまい。山椒の代わりにワサビを溶いても美味しかった。

・ネギが甘くて、ウナギの脂をさっぱりさせてくれて美味しい

※ウナギの頭には細長い骨があるので、食べる際はご注意下さい。

半助自体は今は通販で買えるので良かったら作ってみて下さい。

地域のあしもとマイスター(橋本/高野/かつらぎ/九度山)

和歌山県高野町在住。現場のフィールドワークを通してその土地ならではの地域資源を掘り起こし、地域づくりにつながる高付加価値商品開発や体験プログラムの企画造成支援や実践を行っています。そのスキルも活かして皆さまのまだ見ぬ和歌山県をお届けしていきたいと思っています。民俗学と発酵と和の薬草と昆虫食と染色のイベントもしています。社会教育士 (橋本市/高野町/かつらぎ町/九度山町 担当)

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