大手行で変動型の住宅ローン金利が17年ぶりに引き上げられる
住宅ローン行など大手5銀行は10月から、変動型の住宅ローンの基準金利を引き上げる。既存の契約者らが対象で、各行の上げ幅は0.15%が軸となる。7月の日銀の追加利上げに伴って各行が短期融資の指標となる短期プライムレート(短プラ)を引き上げていたのを反映する(27日付日本経済新聞)。
住宅ローンの変動金利は「短期プライムレート」と呼ばれるものがもとになって決まる。短期プライムレートとは、銀行が最優良の企業に貸し出す際の最優遇貸出金利(プライムレート)のうち、1年以内の短期貸出の金利を「短期プライムレート」と呼ばれる。これは日銀が決める政策金利(短期金利)を元にして決められている。
変動金利の場合、金利の見直しは半年に1度(4月1日と10月1日)、毎月の返済額の見直しは5年に1度であるのが一般的。
金利の変更があっても5年間は返済金額が固定されるが、その間金利が上昇すれば、毎月の返済額に占める元本の割合で調整される点に注意が必要となる。多くの金融機関は、見直し後の返済額を見直し前の1.25倍までとしている(125%ルール)。
「5年ルール」や「125%ルール」は、あくまで返済金額が固定されることや、返済金額の引き上げの上限を設けるだけであり、金利上昇時にはその分の返済額は増加し、それによって元金が減りにくくなるデメリットがある点にも注意が必要。
ネットバンクなど「5年ルール」や「125%ルール」を適用しないところがある点にも注意する必要がある。
変動型のローンで金利上昇時に利払いを増やしたくないなら繰り上げ返済も選択肢になろう。