Yahoo!ニュース

日経平均株価は12日に一時4万円台を回復

久保田博幸金融アナリスト
(写真:つのだよしお/アフロ)

 12日の東京株式市場では、日経平均株価が一時4万円の大台を回復した。取引時間中としては10月15日以来2か月ぶりとなる。

 11日の米国株式市場では、超党派の議員グループが健康保険会社や薬剤給付管理会社を所有する企業に対して薬剤事業の売却を義務付ける法案の成立に向けて動いていると伝わったことで、、ユナイテッドヘルス・グループなどが大きく売られ、ダウ平均は下落した。

 当日発表された11月の米消費者物価指数がほぼ予想通りであったことで、利下げ期待が継続したのも好感し、ハイテク株を中心に買いが入った。

 アルファベットやメタプラットフォームズといった主力ハイテク株が買われ、テスラが大きく上昇し、株式分割を考慮した後で2021年11月以来となる上場来高値を更新した。

 ナスダックは347ポイント高となり、6日以来となる過去最高値を更新し、初めて2万の大台に乗せた。

 これを受けて12日の東京株式市場では、アドバンテストなど半導体・人工知能(AI)関連銘柄を中心に買われた。

 昨夕のブルームバーグによる「日銀は利上げ急がず、今月見送りでも物価加速リスク小さい-関係者」とのタイトルの記事を受けて、円安が進行、ドル円は152円台を付けたことも株式市場は好感した。

 ブルームバーグの記事については「追加利上げを急ぐ状況にはないと認識している」としながらも、「もっとも、今後公表されるデータや為替相場の動向次第では、来週の金融政策決定会合での実施の可能性もあるという」と「複数の関係者(「事情をよく知る」との表現はない)」からのコメントがあった。

 来週の日銀の利上げを完全に否定するものではない上、円安が加速されるとむしろ利上げの可能性が強まる気もするのだが。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

牛さん熊さんの本日の債券

税込1,100円/月初月無料投稿頻度:月20回程度(不定期)

「牛さん熊さんの本日の債券」では毎営業日の朝と引け後に、当日の債券市場を中心とした金融市場の動きを牛さんと熊さんの会話形式にてお伝えします。昼には金融に絡んだコラムも配信します。国債を中心とした債券のこと、日銀の動きなど、市場関係者のみならず、個人投資家の方、金融に関心ある一般の方からも、さらっと読めてしっかりわかるとの評判をいただいております。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

久保田博幸の最近の記事