FRBは利下げを急がず、日銀は利上げを急がず、ということで円安が進行し、ドル円は149円台に
FRBは0.25%ずつの利上げか
FRBのパウエル議長は9月30日の全米企業エコノミスト協会(NABE)の年次会合で、「全体として経済は堅調だ」との認識を示した。「委員会は利下げを急いでいるわけではない」とも話し、9月のFOMC後に公表された委員らの政策金利見通し(ドットチャート)は「経済が想定通りならば年内はあと2回、あわせて0.5%の利下げを意味する」との見方を示した。
FOMCの年内の開催は11月6日~7日と12月17日~18日のあと2回残されている。
パウエル議長は「この先、経済がおおむね想定通りに進展すれば、政策は時間とともにより中立のスタンスへと移行するだろう」と語った。ただ「われわれはあらかじめ定まった道を進んでいるのではない」とも指摘した。政策当局は今後も入手するデータに基づき、会合ごとに判断を下していくと説明した。
とはいえ、ある程度のスケジュール感は念頭に置いてあることも予想され、7月のFOMCでは0.50%と大幅な利下げとなったが、今後は0.25%ずつ引き下げていくことも考えられる。
4日に発表された9月の米雇用統計は非農業雇用者数が前月比25万4000人増と、市場予想の15万人増程度を大きく上回った。過去2か月分の増加幅はそれぞれ上方修正。失業率は4.1%と8月の4.2%から低下し平均時給の伸びも市場予想を上回った。
これを受けて、あらためて11月の利下げ幅は0.5%ではなく0.25%かとの見方が強まり、米長期金利は一時3.98%に上昇した。
日銀は12月にも追加利下げか
1日に公表された9月19日、20日に開催された日銀金融政策決定会合における主な意見には、下記のような意見があった。
「政策金利は、見通しに大きなマイナスの変化がないことが確認できるのであれば、時間をかけすぎず、引き上げていくことが望ましいとの考えは不変である。ただし、利上げ自体を目的とはしていない。日本経済の健全な成長に対する期待に見合う水準程度まで徐々に上げていけることが理想である。センチメントが実体経済に及ぼす影響も考慮し、政策変更には適切なタイミングを選ぶ必要がある。」
9月に日銀はどうして利上げを決定しなかったのか。
政策変更には適切なタイミングを選ぶ必要があるためであった可能性も高い。9月には自民党総裁選が行われたことも意識されていた可能性がある。
日銀の金融政策決定会合の年内の開催は10月30日~31日、12月18日~19日が予定されている。
自民党の石破総裁は10月27日投開票の日程で衆院選を行う手続きを進める考えを表明しており、10月の金融政策決定会合での利上げもできれば避けたいのではないかと思う。11月5日には米大統領選挙も控えている。
FRBは利下げを急がず、日銀は利上げを急がずで円安進行
このため、FRBは11月と12月のFOMCで0.25%ずつの利下げ、そして日銀は12月の金融政策決定会合での政策金利を現在の0.25%から0.50%へ利上げされると私は予想している。
いずれにしてもFRBは利下げを急がず、日銀は利上げを急がずとの姿勢になるとみられる。これは一時的にせよ円安ドル高を招くことも予想される。4日には米雇用統計を受けての米長期金利の上昇もあり、ドル円は一時は149円台に上昇してきた。