過去になった「今」を覗くと案外おもしろい。北野で開催中の個展で見つけたスケッチの魅力【神戸市中央区】
北野の美容室chit-chat(チットチャット)で現在開催中の、永田恵理さんの個展「HALF/HALF」へ行ってきました。墨絵とスケッチ、全く異なるテイストの作品が展示されていますが、今回はここで発見したスケッチの面白さをお伝えしたいと思います。
ハーフ・ハーフの作品展示
喫茶店スケッチドローイング
永田さんがこの喫茶店スケッチを始めるきっかけとなった考現学の提唱者・今和次郎氏は、関東大震災直後「今」を懸命に生きる人々の姿の中にある「大切なもの」を後世に伝えようと、ただひたすらに記録しました。永田さんも、神戸で震災を経験したことで、その気持ちが理解でき、やってみたいと思われたそうです。
作品が描かれた当時の「今」は、既に「過去」ですが、絵と添えられたコメント、そして、喫茶店好きな自分の記憶と上手くリンクして、描かれた様子が実際に今、目の前にあるようです。また、他人の日常を凝視するのは結構気が引けるものですが、絵で他人を堂々と「観察」できるというのは面白く、描き手だけでなく私たちにとってもひとつの楽しみ方のように思いました。
描かれた喫茶店へ、実際に訪ねてみたという方もいるそうです。私も、おすすめいただいた元町のカフェバーが気になっています。
展示の絵をより楽しむために、永田さんの「末端試験弁の向こう側へ」を読んでみて欲しいです。スケッチ作品がまとめられた本ですが、まえがきから順に読み進めると、じっくり原画を見たくなります。実際私は、この本を読んだことで、墨絵を中心とした構成を考えていた記事の内容を180度方向転換してしまいました。
一度見て何か衝撃が走る絵…というよりも、後からじわじわと良さが染みてくるような絵だなと思いました。ぜひ味わってみてください。
墨絵作品
「一度見て何か衝撃が走る絵」ということであれば、反対側に展示された、眼光鋭い墨絵作品がそうかもしれません。その一部をご紹介します。こちらも展示会場でゆっくりご覧ください。
こちらとても可愛いネコのA4デザインペーパーは、チットチャットと永田さんのコラボ限定アイテムで、ご来場の皆さんへの無料プレゼントです。(数量限定)フレームに入れて飾ったり、ブックカバーにしたり、使い方は色々。ぜひもらって帰ってくださいね。
もうひとつのハーフ・ハーフ
プライベートサロンである会場のチットチャットは、一見いかにも隠れ家です!ビル入り口に美容室の看板は一切ありません。ギャラリー見学のみの場合は予約不要で、5階奥の扉を開けると、もうそこからあちらこちらに永田さんの作品が飾られていますので、見逃さないように進みましょう。
ギャラリースペースには、椅子と机、ハンモックチェアもあるので、座ってゆっくり見ることもできます。アートを身近に感じていただける仕掛けが沢山ありますので、ギャラリーに行ったことのない人もでかけてみませんか。
イベント情報
永田恵理個展「HALF/HALF」
イベントFacebookページ(外部リンク)
場所:プライベートサロンchit-chat(チットチャット)
住所:神戸市中央区中山手通1丁目24-4 ドラゴンズビル5階東
アクセス:三ノ宮駅各線 徒歩8分
chit-chatの公式HP(外部リンク)
開催期間:
2022年6月1日(水)〜7月24日(日)
13:00〜19:00(美容室の営業時間とは異なります)
※最終日17:00まで
定休日:月曜日+不定休あり
chit-chat のInstagram(外部リンク)等でご確認ください
関連外部リンク
次回個展「木漏れ日」
2022年7月27日(水)~8月10日(水)
場所:そば処 いながわ(兵庫県伊丹市)
※詳細は、SNSをフォローして発表をお待ちください