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ニトリがステーキ店を相模原にオープン

渡辺広明コンビニジャーナリスト/流通アナリスト
“ニトリダイニング”オープニングに並ぶお客さま 筆者撮影

ニトリモール相模原に"ニトリダイニング"がオープンという事で、どんな「お、ねだん以上。」の食が提供されるか興味があり、オープン前から並んで食べに行ってみた。

まずは、一押しアイテムを食べるべく500円(税込)のキキンステーキと1回盛りきりランチ限定のライス・スープ・サラダバーのセット280円(税込)と組み合わせてみた。総額780円(税込)と大変お手軽価格でコロナ禍の節約指向で庶民の味方となりそうで、チキンも240gと圧倒的なボリュームで美味しかった。

チキンステーキとサラダ&スープ&ライスバーセット 筆者撮影
チキンステーキとサラダ&スープ&ライスバーセット 筆者撮影

家具や生活雑貨を扱うニトリのような買い物頻度の低い業態は、来店を促進する販促や動機が必要になる。

今回"ニトリダイニング"が出店したのは、ニトリが運営するショッピングモールのニトリモール相模原の駐車場の一角となり、モールには家電量販(ヤマダ)紳士服(青山) 玩具(トイザらス)なども出店しているが、顧客の来店頻度の高いスーパー(オーケーストア)や飲食店の6チェーンが(びっくりドンキー・リンガーハット・モスバーガー・はなまるうどん・銀だこ・スイーツ王国)も出店している。

ニトリはモールの運営経験から飲食の集客力を分析し、本業ニトリへのシナジーを鑑み、チェーンオペレーションで多店舗化出来る飲食店舗を出店したと考えられる。

店舗で配布のチラシ 筆者撮影
店舗で配布のチラシ 筆者撮影

また、ショッピングモールの出店は全国的にに同じような企業が出店し同質化してしまってるケースが多く金太郎飴化している。今回のような独自の店舗の"ニトリダイニング"を出店する事により差別化を図り、顧客のマグネットとして誘客する役割を担っていく事も期待していそうだ。

ニトリ同業のスウェーデンのIKEAは、店内に飲食を展開しいる。名物のミートボールはグローバルで年間10億個売れていて、ミートボール食べに行くのを楽しみにしている顧客も多く浸透している。直近ではIKEAジャパンでは植物由来の原料の植物性のカツカレーやロールキャベツ、チーズドッグなど展開しエシカル志向の顧客を中心とする新規顧客の取り込みを図っている。

ニトリダイニングも「お、ねだん以上。」美味しい価格訴求型のメニューを目玉としているが、今後はさらに差別化され独自性のあるメニュー開発が期待される。

コンビニジャーナリスト/流通アナリスト

渡辺広明 1967年生まれ、静岡県浜松市出身。コンビニの店長、バイヤーとして22年間、ポーラ・TBCのマーケッターとして7年間従事。商品開発760品の経験を活かし、現在 (株)やらまいかマーケティング 代表取締役として、顧問、商品開発コンサルとして多数参画。報道からバラエティまで幅広くメディアで活動中。フジテレビ「Live News a」レギュラーコメンテーター。 「ホンマでっか⁉︎TV」レギュラー評論家。全国で講演 新著「ニッポン経済の問題点を消費者目線で考えてみた」「コンビニを見たら日本経済が分かる」等も実施中。

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