ワクチン接種券で割引など受けられるホテルが増加中

ワクチン接種の加速が叫ばれる中、大規模接種会場の設置など対策も進められているが、ホテルではワクチン接種にまつわる新たなプランが打ち出されている。新型コロナウイルスのワクチン接種に来た本人や付き添い家族を対象とした割引プランだ。

たとえば、阪急阪神ホテルズ運営の「ホテル阪急レスパイア大阪」(大阪市北区)では、チェックイン時にワクチン接種券を提示することで割り引くプランを5月24日から販売している。自衛隊大阪大規模接種センター(大阪府立国際会議場)の利用者を想定しているという。ホテルから徒歩6分のバス停から接種会場への無料直行バスが運行されている。内容としては、大阪府・京都府・兵庫県に在住で、ワクチン接種券を持参した65歳以上のゲストおよびその介助者が対象で、接種日の前日、当日のどちらでも利用できるとのこと。

また、JR大阪駅直結の「ホテルグランヴィア大阪」(大阪市北区)では、ワクチン接種券を持ったゲストを対象とした宿泊プランやレストラン優待サービスを打ち出している。余裕を持って会場に出発できるよう朝6時からチェックインが可能な宿泊プランや、ワクチン接種の前後に客室でリラックスして過ごすことを目的とした、12時間滞在可能なデイユースプランも。また、ワクチン接種券を提示することで、レストランでの食事や飲み物、テイクアウト商品を割引くという。

同じく大阪の「リーガロイヤルホテル」(大阪市北区)でも、ワクチン接種者を対象として駐車料金が無料になる特典を付けた宿泊プランを用意(関西在住者限定)。ワクチン接種券の提示でレストランでの割引サービスなども受けられるという(鉄板焼きや和食店などで指定メニューが対象とのこと)。

関西を中心に見てきたが、全国規模でワクチン接種券のプラン展開をするのが「三井不動産ホテルマネジメント」だ。「ホテル ザ セレスティン」「三井ガーデンホテル」などのブランドで展開するが、都内(16ホテル)、千葉(2ホテル)、札幌(2ホテル)、名古屋(1ホテル)、大阪(2ホテル)、熊本(1ホテル)を対象に、4時間利用の日帰りプランや宿泊プランが用意されている。

コロナ禍でホテルを劇的に変化させたのが、除菌、消毒をはじめとする徹底した衛生管理だ。総体的にみれば、歴史上これほどまでにホテルが清潔という時期はなかっただろう。そうした空間、客室は新型コロナウイルス対策というイメージとマッチする。

他方、大規模ワクチン接種会場で懸念されるのがやはり混雑だ。念のために早めに出向くケースもあるだろう。そうした時にホテルの客室のようなプライベートスペースがあると一時的な待機という点でも助かる時があるかもしれない。

今回紹介したホテルのほかにも、同様のプランを提供する施設も増えているようだ。いずれにしても、実際の利用に際しては、公式サイトで利用期間や条件など確認していただきたい。

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コロナ禍で大打撃を受け続けるホテルにとって、世相にマッチしゲストにフックするプランの創出は目下重要なテーマといえる。スピード感も重視される斬新なプランであるが、ホテルの現場を取材する度に、次々とアイディアを生み出していく(実現の有無は別として)現場のポテンシャルには驚かされる。また、プランを打ち出すことはできても、それを実行していくスタッフの労力にも頭が下がる思いだ。

今後もホテルの特徴的なプランや目新しいプランなどを紹介できればと思う。