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【若者政治参加特区】国家戦略特区をキッカケに、新しい民主主義で世の中を変えるビッグバンを起こす

高橋亮平日本政治教育センター代表理事・メルカリ経営戦略室政策企画参事

国家戦略特区に、ジャーナリストの田原総一朗氏らとともに、任意団体・万年野党(政策監視会議)として「若者の政治参加を通じた地域活性化に係る特区」を提案し、国家戦略特区ワーキンググループ(座長:八田達夫 大阪大学招聘教授)の選定を受け、内閣官房に呼ばれヒアリングを受けた。

地方選挙における選挙権・被選挙権の年齢制限等に関する規制の緩和と、大学・大学院に通信制・政治実習コースを設置する事によって、若く優秀な人材を地域に集め、さらには若者の意見が反映されやすい未来志向のまちづくりの実践モデルとして、若者の流入の加速、地域活性化につなげるという提案である。

社会や政治に対する閉塞感を根本から転換するモデルを地方から構築しようというものであり、これまで長年触れられてこなかった、民主主義や自治そのもののあり方について風穴を明けるとともに、マイナスのスパイラルにある社会全体の意識をプラスに転じるために、若者のエネルギーを集め、パイロットにしたいと考えている。

政府によると、今回の「国家戦略特区」の第1次募集には、242の団体(民間企業181、地方自治体61)から提案があったとの事で、このうち、43団体がすでに国家戦略特区ワーキンググループによるヒアリングを受けたとして、首相官邸のホームページ(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc_wg/teian_hearing.html)に掲載されている。政府は提案の聞き取り作業をさらに進め、10月中旬をめどに第1陣の特区を指定する予定らしい。

我々が提案した「若者の政治参加を通じた地域活性化に係る特区」は、「若者政治参加特区」の創設と、大学・大学院での「通信制・政治実習コース」の開設によって、若者を地域に集める事によって活性化しようという提案であり、現行の公職選挙法では、選挙権は20歳以上、被選挙権は25歳以上に決められているが、地方選挙に関しては選挙権・被選挙権年齢などの制度を市町村が独自に設定できる様にするというものだ。これにより、特区となった自治体の選挙においては、例えば、選挙権は18歳から、被選挙権は20歳からなど、市町村が独自に引き下げを行う事ができる様になるほか、年齢だけでなく、選挙権年齢に達していない子どもの選挙権を保護者が行使できる様にする仕組み(ドメイン投票制度)づくりなど、さらに踏み込んだ制度の可能性も視野に入れるとしている。こうした特区により、若者の意見が政治の場により反映され、地方政治と地域が活性化・改善される効果を実証し、全国の自治体へ、さらには国政へと展開していこうと考えている。

また同時に、意欲のある優秀な若者を地方政治の場に呼び込むための仕組みとして、被選挙権の年齢引き下げと同時に、政治家になるための新たな道筋づくりとして、大学・大学院に「通信制・政治実習コース」を設け、単位認定などについて必要な特例措置を受け、学生の間だけ議員をやるという仕組みをつくる事を提案している。具体的には、公共政策など政治系の大学や大学院の1コースとして、万年野党の協力のもと、「通信制・政治実習コース」を開設し、学生は通信制で学びながら、地方議員として活動し、4年間の議員任期で卒業、終了できるという仕組みにする事を考えている。通信制で提供する教育内容については、万年野党のメンバーが協力して、最高水準の知識や情報の提供を行い、こうしたプログラムを実践する事で、学生には、実践を積みながら学ぶ機会を提供すると同時に、意欲・能力・知識のある若者を地方政治の場に呼び込む。

日本中どの自治体でもほぼ同様に、人口減少と少子高齢化の問題と、産業構造の転換や新しい産業の構築等が最も大きな課題になっている。こうした中で、若い人をどう呼び込むかという事は極めて重要であるが、地元に戻っても仕事がなく、優秀な人材がIターンやUターンをするのは極めて難しいのが現状である。震災以降、ボランティアやNPOへの意識が向上していると言われているが、どの地域でもこうした形で若い人材を集められるというわけでもない。これからの地域活性や産業構造の転換、まちづくりなどを考えて行くためには、民間企業だけでなく、官民連携による新たな仕組みづくりや取り組みなども求められる事になるが、残念ながら自治体や地域全体の青写真を創っていくだけの人材がいないというのが現実と言え、一昔前なら、自治体にもコンサルタントを入れていたところだが、財政状況の逼迫など、地方自治現場にそんな余裕はなくなっている。

まさに、こうした状況を転換するキッカケとして提案したのが、今回の「若者の政治参加を通じた地域活性化に係る特区」であり、意欲と能力の高い優秀な若者を、地域活性の担い手として送り込むとともに、大学と有識者とのサポートを受けながら、停滞していると言われて久しい地方議会自体の提案機能や監視機能を強化して行く事で、議会の活性化、さらには行政の活性化や地域の活性化のキッカケにも結びつく仕掛けになると考えている。

アメリカには、政権交代時にSTAFFが入れ替わるリボルディングドア(回転ドア)という仕組みがあるが、それを支える仕組みとして、若いうちに行政や政策形成の経験を積むホワイトハウスフェローという仕組みがある。日本においては、まさにこの「若者の政治参加を通じた地域活性化に係る特区」による仕組みが、優秀な政策人材、地域活性化人材を生むとともに、こうした人材が流動化し、社会を盛り上げる、さらにはこの国や社会を支える人材が次々に生まれる仕組みになると考えている。

長年、変える事のできなかった岩盤規制に今、ようやく大きな穴が空く実現性が見えてきた。この国の未来を真剣に考える若者はもちろん、地域の将来を本気で憂う首長や行政職員には是非、名乗りを上げてもらいたいと思う。連絡を待っている。

(資料)「若者の政治参加を通じた地域活性化に係る特区」http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc_wg/pdf/13-mannenyato.pdf

日本政治教育センター代表理事・メルカリ経営戦略室政策企画参事

元 中央大学特任准教授。一般社団法人生徒会活動支援協会理事長、神奈川県DX推進アドバイザー、事業創造大学院大学国際公共政策研究所研究員。26歳で市川市議、全国若手市議会議員の会会長、34歳で松戸市部長職、東京財団研究員、千葉市アドバイザー、内閣府事業の有識者委員、NPO法人万年野党事務局長、株式会社政策工房研究員、明治大学世代間政策研究所客員研究員等を歴任。AERA「日本を立て直す100人」に選ばれた他、テレビ朝日「朝まで生テレビ!」等多数メディアに出演。著書に『世代間格差ってなんだ』(PHP新書)、『20歳からの社会科』(日経プレミアシリーズ)、『18歳が政治を変える!』(現代人文社)ほか。

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