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「私の方が拳四朗より優れたボクサーだ」3団体統一戦に臨むWBO王者ゴンサレスが独白

杉浦大介スポーツライター
Damon Gonzalez/ProBox TV

 世界中のコアなボクシングファンの目が日本に集中する新たなビッグファイトが決まった。4月8日、東京の有明アリーナでWBAスーパー、WBC世界ライトフライ級王者・寺地拳四朗(BMB)とWBO同級王者ジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)が3団体統一戦を行う。勝者は“Undisputed(4団体統一王者)”に王手をかける一戦だけに、注目度は高い。

 “ボンバ”のニックネームを持つゴンサレスは27勝(14KO)3敗1分。2021年10月、WBO王者エルウィン・ソト(メキシコ)に判定勝ちで初戴冠を果たすと、昨年11月、寺地対京口紘人(ワタナベ)のアンダーカードで岩田翔吉(帝拳)にも判定勝ちを飾って2度目の防衛に成功した。2020年以降は5連勝を続け、31歳と年齢的にも脂が乗っている。

 2月上旬、寺地戦を控えたゴンサレスにニューヨークで話を聞いた。来日戦は今回が3度目であり、アウェイの不安はなさそう。英会話も得意なゴンサレスの言葉からは、人生最大の一戦への意気込みと、勝利への自信がわかりやすい形で伝わってきた。

得意のアウトボクシングを貫く

――防衛戦というオプションもある中で、キャリアのこの時点で拳四朗との3団体統一戦に臨むという決断は難しいものでしたか?

ジョナサン・ゴンサレス(以下、JG) : 私にとってこれが最善の動きだったと思います。私と拳四朗こそがライトフライ級でも最強の王者たち。現代では多くの統一戦が実現しており、私たちの対戦も自然の流れだったのです。

――拳四朗選手の印象は?

JG : とてもいいボクサーですね。昨年11月、日本で会った時、向こうからハグを求めてきて、謙虚な選手だなという印象も受けました。そこで彼から「戦おう」と言われたんです。いい選手だし、彼のことは尊敬しています。そんな彼と戦うために、私は最善の準備をしなければいけません。

――あなたは京口選手の実力を買っていましたが、その京口選手との統一戦で拳四朗選手が一方的に勝ったことに驚きはありましたか?

JG : 少し驚きました。私は戦前は紘人が勝つと思っていましたからね。ただ、拳四朗は最善の準備をし、最善のプランを持ってあの試合に臨みました。多くのジャブを使い、ロングレンジを制したのが快勝につながったのでしょう。

――それほど強い拳四朗選手を相手に、今戦ではどう戦うつもりでしょう?敵地ですし、KOを狙うのでしょうか?

JG : それはまだわかりません。彼は強い選手です。私が普段、どうやって戦うかはご存知ですよね。私はアウトボクサーで、戦術をしっかり考えながら戦うのを得意としています。

――それでは拳四朗戦もアウトボクシングで挑むということでしょうか?

JG : その通りです。アウトボクシングをすると保証します。

最高のトレーニングを積んで来日する

――これほどのビッグファイトをアウェイで行うことに懸念はありますか?

JG : 東京での試合は問題ありません。彼らが東京に来いというなら、明日にでも行きますよ。

――前戦も日本で行い、岩田選手に勝って防衛を果たしたことは自信になっているのでしょうか?

JG : 窓口になってくれている帝拳プロモーション、トゥト・サバラのオールスターボクシングは私のために最善を尽くしてくれました。彼らが東京でというなら、また喜んで行きますよ。

――予想は不利と出そうですが、自信は十分にありそうに見えます。

JG : 私は経験豊富なボクサーです。リング上で何をやらなければいけないか、もうわかっています。私の方が拳四朗より優れたボクサーだと思っていますし、彼には勝てるでしょう。

――試合は4月上旬ですが、いつ頃日本に行くつもりでしょう?

JG : 試合の2週間前には来日する予定です。それまではプエルトリコでトレーニングをこなすつもりです。スパーリングパートナーはまだ決まっていません。拳四朗はライトフライ級では身体が大きいので、大柄なオーソドックスの選手と練習したいですね。最高のトレーニングを積んで日本に行きますよ。

スポーツライター

東京都出身。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、ボクシングを中心に精力的に取材活動を行う。『日本経済新聞』『スポーツニッポン』『スポーツナビ』『スポルティーバ』『Number』『スポーツ・コミュニケーションズ』『スラッガー』『ダンクシュート』『ボクシングマガジン』等の多数の媒体に記事、コラムを寄稿している

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